「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年7月16日(木)

伊方再稼働ありえない

「とめる会」が愛媛県庁で会見

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)四国電力伊方原発=愛媛県伊方町

 原子力規制委員会が、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は新規制基準に「適合」とする審査書を決定したことを受け、伊方原発をとめる会の和田宰事務局次長ら共同代表6人は15日、愛媛県庁(松山市)で記者会見しました。「新規制基準への適合性審査への『合格』は、『重大事故が起きない』ことを保証したものではなく、安全とは言えない」との見解を表明しました。

 和田事務局次長は、「5月20日に、事実上の『合格』を示す審査書案を規制委員会が了承したとき、われわれは撤回を求めたが、規制委員会は受け止めなかった。新規制基準は、住民の避難計画を自治体に丸投げし、炉心溶融などのシビアアクシデント(重大事故)も避けられないものとしている」と述べ、「『合格』はありえない」と批判しました。

 その上で、今回の決定に対し、行政不服審査法にもとづき「異議申し立て」を行うことを明らかにしました。

解説

避難計画の実効性に疑問

 原子力規制委員会が、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について新規制基準に「適合」したとの審査書を決定しました。

 地元住民から、避難計画の実効性を疑問視する声が聞かれます。

 細長い佐田岬半島の付け根に近い伊方原発。避難計画が必要な半径30キロ圏内には7市町が入り、対象住民は約12万人です。とくに問題なのは、原発の西側に住む約5000人の避難です。

 事故で放射性物質が漏れた場合、陸路では原発のすぐ近くを通るしかないため、避難計画では半島の先端近くにある港から船で対岸の大分県などに避難することになっています。しかし、津波や悪天候の場合はそれも不可能となります。

 また、原発近くの地質構造は日本有数の地すべり地帯で、避難だけでなく、敷地内の緊急時対応に影響する恐れもあります。

 伊方原発は日本で唯一閉鎖海域に面した原発です。ひとたび汚染水が流出する事故が起きれば、瀬戸内海に深刻な汚染を引き起こすことが懸念されています。また、敷地が狭いため、福島原発事故のような汚染水の発生があった場合、タンクなどの施設を造る場所が足りなくなると指摘されています。

 さらに、1988年には伊方原発の近くに米軍のヘリが墜落する事故が起きています。規制委は、落下確率が判定基準以下であるとして航空機落下については、設計上考慮する必要はないとしていますが、疑問です。

 規制委設置法で、その任務に、国民の生命、健康を守ることを掲げている規制委。しかし、住民の安全にとって肝心な避難計画を何も審査することなく、住民の不安を無視していいのか。安倍政権が、規制委の決定を「尊重して」などと再稼働を進めることは許されません。 (「原発」取材班)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって