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2015年6月25日(木)

主張

「平和宣言」と首相

沖縄の願いになぜ耳を貸さぬ

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 戦後70年の沖縄「慰霊の日」(23日)に開かれた「沖縄全戦没者追悼式」は、翁長雄志知事の平和宣言をはじめ、米軍普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古への新基地建設に反対する声であふれました。追悼式に出席した安倍晋三首相はあいさつで辺野古の新基地建設問題に言及しませんでしたが、県民の圧倒的な反対世論の前に触れることができなかったのが実情です。辺野古新基地建設の道理のなさとともに、追い詰められているのは安倍政権であることを示しています。

戦争につながる新基地

 「沖縄にはいまだ広大な米軍基地があります。米軍普天間飛行場の早急なる県外移設を熱望すると同時に、戦争につながる基地建設には遺族として断固反対いたします」。沖縄県遺族連合会の照屋苗子会長は、戦没者への追悼の言葉でこう語りました。

 知事は平和宣言で、沖縄戦では20万人余りの尊い命が犠牲になり、県民は戦後、家族や友人など愛する人々を失った悲しみを胸に恒久平和を切望し、復興と発展の道を歩んできたと述べました。しかし、日本の国土面積の0・6%にすぎない沖縄県には在日米軍専用基地面積の73・8%が集中し、依然として過重な基地負担が県民生活にのしかかり、県の振興開発の最大の阻害要因となっています。

 知事が、辺野古への新基地建設を「唯一の解決策」と繰り返す安倍政権に対し、「固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古へ移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を再度見直されることを強く求めます」と語ったのは当然の要求です。

 首相は追悼式で「今後も引き続き、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と述べるだけで、式終了後も記者団に「普天間基地の固定化は断固としてあってはならない」と一切辺野古には触れませんでした。

 首相が言及した沖縄の米軍再編計画では、普天間基地の辺野古「移設」をはじめ、嘉手納基地(嘉手納町など)より南にある基地の「整理縮小」が行われたとしても、米軍専用基地面積の全国に占める割合はわずか0・7%しか減りません。「返還時期も含め、基地負担の軽減とはほど遠いもの」(知事)です。しかも、普天間基地の辺野古「移設」については「昨年の選挙で反対の民意が示されており、辺野古に新基地を建設することは困難」(同)です。

 昨年の県知事選や衆院選などで示された「辺野古新基地ノー」の民意を無視しようとする安倍首相は、平和宣言の「国民の自由、平等、人権、民主主義が等しく保障されずして、平和の礎を築くことはできない」という言葉が耳に入らないのでしょうか。

普天間の無条件撤去を

 普天間基地は、米軍が沖縄戦のさなか県民の土地を強奪して建設したものです。知事が「県民の思いとは全く別に、強制接収された世界一危険といわれる普天間飛行場の固定化は許されず、『その危険性除去のため辺野古に移設する』『嫌なら沖縄が代替案を出しなさい』との考えは、到底県民には許容できるものではない」と語ったのは当然です。この道理ある訴えに応え、辺野古新基地ノー、普天間基地の無条件撤去を求める運動と世論をさらに強める時です。


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