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2015年6月9日(火)

翁長知事訪米の成果は 渡久地団長(県議)に聞く

「新基地ノー」民意伝えた

“対話継続”“沖縄訪問したい”の声も

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 日米両政府が沖縄県名護市辺野古に新基地建設を強引に進めている問題で、訪米していた翁長雄志知事、稲嶺進名護市長や、県議団などで結成した訪米団が帰国しました。どんな成果があったのか、渡久地修団長(日本共産党県議)に聞きました。(尾崎吉彦)


建設阻止へ「一歩一歩前に」

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(写真)記者会見で、沖縄の民意を米側に伝える今回の行動について語る翁長氏と訪米団=3日、ワシントン(洞口昇幸撮影)

 ―訪米の手ごたえは、いかがでしたか。

 5月27日から10日間の訪米で、精力的に上下院議員や補佐官、有識者などと会談し、辺野古新基地(沖縄県名護市)ノーが沖縄県民の強い意志であることを明確に伝えてきました。知事と名護市長がそろってアメリカに行き、米政府高官や米上下両院議員らに、辺野古に新基地はつくらせませんと沖縄の民意を直接、訴えたのは初めてのことで、非常に大きな意味がありました。

連日の報道 苦難を理解

 ワシントン・ポストが、訪米前に大きな特集を組みましたし、メディアが連日、訪米団の活動を報道しました。懇談した相手からは、いろいろな意見がありましたが、共鳴の声も多く、沖縄の苦難がよくわかったという声もありました。

 厳しい意見があったのも事実ですが、知事自身、記者会見(3日)でのべているように「日米首脳会談が上に乗っかっている中で、理解が広がりを見せたということは大きな成果だ」と思います。

 翁長知事と会談した上院軍事委員長のマケイン氏からは「話し合いを続けよう」と対話継続の提案がだされました。「沖縄を訪問し、調査をしたい」という議員もいたようです。

 「辺野古が唯一の解決方法だ」という意見を述べていた人が、訪米団と意見を交わすなかで「日米交渉の余地はある。みんなが納得できるような別の選択肢はないのか。平和的な希望のあるようなほかの形で検討することもやってみたい。日米両政府の問題でもあるので、いろいろ検討することもやってみたい」と表明することもありました。おおむね「新しい情報に接し、この問題に理解が深まった」と受け止められたようです。

 知事がのべたように「訪米の成果を糧として一歩一歩前に進んでいく」ことが大事だと思いました。

議員団行動 懇談55回に

 ―議員団はどのような活動をしたのですか。

 議員団は、翁長知事をオール沖縄で支えていくことと同時に、辺野古新基地ノーの民意を議員自身が伝えることを任務としていました。ハワイでは知事に同行しましたが、ワシントンでは知事とは別行動で、下院議員や補佐官、有識者の方々と55回懇談を行い、約90人と意見交換しました。

 持って行った県民大会の決議、県民大会を報道した琉球新報、沖縄タイムス、それにDVD「美(ちゅ)ら海辺野古」の英語版、これらの資料300セットをほぼ使い切りました。

 ―どんな話をしたのですか。

 70年前、沖縄を占領した米軍は、戦争のさなかと戦後、強制的に県民の土地を収用して現在の基地をつくりました。ハーグ陸戦法規に違反する行為です。そして、70年間、基地あるがゆえの事件・事故・犯罪に県民は苦しめられています。日本の国土面積の0・6%という小さな島に、米軍専用施設の74%が集中させられています。昨年、名護市長選挙、県知事選挙、衆議院選挙のすべてで、辺野古に新基地をつくらせないという候補者が圧倒的大差で勝利した、ここに沖縄の民意がはっきり表れている―このようなことを話しました。

 中には、今後、可能な限り協力したい、なぜ辺野古に決まったのか、なぜ沖縄に基地が集中しているのか、調べ直してみたいとの話もあり、たいへん勇気づけられました。

「代替案」に県民は疑問

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MV22オスプレイの墜落現場を丘の上から視察する渡久地訪米団長(手前)ら=5月28日(日本時間)、ハワイ州オアフ島(訪米団提供)

 共和党の議員を中心に聞かれたのが、中国脅威論と辺野古がだめというのなら代案はないのかということでした。

 それにたいして、なぜ、私たちが代替案を出さなければいけないのか、そういう話が出るたびに、沖縄県民は失望し、疑問に感じています―こういうことを話し、辺野古が唯一の策と書いている国防権限法案から、その記述を削除してほしいということも訴えました。

 辺野古の問題は、日本政府の問題だという意見もありました。

 辺野古新基地は、日米両政府が合意したからといって押し付けている問題です。日本政府は、日米で合意したことと言って、私たちのいうことに耳を傾けず、沖縄県民を突き放しています。アメリカに来たら、これは日本政府と沖縄の問題だという。両方とも沖縄県民のことをお互いなすりつけて、沖縄県民の民意を踏みにじっています。

 沖縄に基地を置くのはアメリカです。日本政府が沖縄県民の民意を聞かないから、私たち代表団がアメリカに直接来て訴えているのです。あなたがたは、当事者ですよ、と迫りました。直接の対話は始まったばかりです。これからも粘り強く働きかけていく必要性を痛感しました。

 今後は、埋め立て承認の取り消し検討などが大きなテーマになります。訪米の成果もおおいにいかしながら、辺野古新基地阻止へ全力をあげていきます。


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