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2015年5月4日(月)

ネパール 援助物資届かず

住民、いらだち募らす 被害最大規模の農村部

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(写真)崩れた自宅跡にたたずむ村の女性ら=2日、ネパール北東部シンドゥパルチョク郡ピパルダラ村(安川崇撮影)

 【ネパール北東部シンドゥパルチョク郡ピパルダラ村=安川崇】ネパール中部を震源とする大地震で、最大規模の被害を受けたのがシンドゥパルチョク郡の農村部。地震から1週間が過ぎた2日午後時点でも政府からの援助物資が届かず、住民は「あと何日生きられるか」といらだちを募らせていました。

 標高1400〜1600メートル。村へ向かう尾根沿いの道の両脇に、倒壊した建物が続きます。

 村では主婦トゥラサ・デビ・クンワルさん(50)が、石造りの自宅が崩れた跡で座り込んでいました。

 「地震の日以降、食料が手に入らない。このままでは何日も持たない。各国が運んでくれた物資はどこに行ったのか」

 親戚にあたる3家族、生後6カ月から90歳の27人が、がれきから引き出したトタンや木材で即席の屋根を立て、地面にわらを敷いて寝ています。地震前日に買った2キロのコメで食いつないできました。

 「なべ類はがれきの下。水牛のえさ用の容器で炊いている」

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(写真)即席の屋根の下で暮らすクンワルさん一家=2日、ネパール北東部シンドゥパルチョク郡ピパルダラ村(安川崇撮影)

 最年長のダンバル・バハドゥル・クンワルさん(90)は「とにかく屋根と壁が欲しい。夜は蚊がひどい。雨が降れば全員ずぶぬれになる」と訴えます。

 飲み水は谷を越えた水源からパイプで届きますが、途中のどこかで土砂が混じるようになりました。

 「水量も減った。時々どろどろしたものが流れてくる。子どもには沸かして飲ませるが、まきも足りない。おとなはそのまま飲む」

 主婦のトゥラサさんは子どもたちの体力低下を心配します。「せき込んだり、熱を出したりしている。不安だ」

 急な斜面を1キロほど下った同村内の別の集落でも、2家族12人がトタン屋根の下でウシやヤギなどの家畜とともに暮らしています。

 「もうコメが尽きる。テントも要る。政府からは調査にも来ない」。インドラ・バハドゥル・タパさん(74)が憤ります。

 テント数百枚を積んだトラックが村の近くで止まっているといううわさが流れていますが、正確な情報は誰も持っていないといいます。

 農村部への救援の遅れは、発生直後から国内外で広く伝えられています。複雑な税関手続きのため、物資がトブバン国際空港で足止めされたり、国外に引き返したりしているとの報道もあります。

 国連のアモス人権問題担当事務次長は2日、救援物資の遅れについて「非常に懸念している」と表明。コイララ首相に改善を要請したことを明らかにしました。


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