2015年4月21日(火)
患者申し出療養撤回を
堀内氏「医療の国責任後退」
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日本共産党の堀内照文議員は17日の衆院厚生労働委員会で、医療保険制度改悪法案に盛り込まれた「患者申し出療養制度」について、安全性や有効性に担保がないと追及しました。
同制度は、保険診療と保険のきかない医療との併用療養を拡大するものです。国による安全性や有効性の審査期間は現行の先進医療では3カ月から6カ月かかりますが、6週間に短縮します。
厚労省の唐沢剛保険局長は「先進医療と同水準の安全性や有効性を求める」と述べたものの、堀内氏が「短縮するのなら現行以上の体制をとるのか」とただしても「具体化はこれからだ」としか答えませんでした。医療事故補償についても現行の民間保険の活用しか言及しませんでした。
堀内氏は「審査体制を強化する見通しもなく、補償を公的に支える仕組みもない」と批判。患者申し出療養として承認された「前例」があれば審査は2週間でよく、医療行為の実績は問われないことなどを指摘し、「国の関与は届け出だけだ」「国の責任を後退、回避した制度だ」と強調しました。製薬メーカーが現行の先進医療による審査を逃れようと新制度に誘導する危険性については、唐沢氏は「(対策を)考えていきたい」としか答えられず、堀内氏は「この制度は国民皆保険を根本から崩すものだ」として撤回を求めました。