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2015年4月15日(水)

国保「改革」 医療費抑制をねらう

衆院代表質問で浮き彫り

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 衆院で14日に審議入りした医療保険制度改悪法案。代表質問を通じて問題点が浮き彫りとなりました。


保険料値上げ

 法案では、国民健康保険の財政運営を市町村から都道府県に移し、都道府県が市町村に「標準保険料率」を示すとしています。

 国保をめぐっては、保険料の滞納世帯360万、保険証取り上げで治療が遅れ亡くなる人も出ており社会問題になっています。

 日本共産党の高橋千鶴子議員は「国保に対する国庫負担を元に戻し、財政支援を拡充すべきだ」と指摘。子どもの医療費助成に対する国庫負担削減のペナルティーもやめるよう求めました。

 塩崎恭久厚労相は、自治体による一般会計からの繰入額3500億円に匹敵する財政支援を行うので「繰入金は相当程度解消される」とのべ、自治体の繰り入れ中止によって国保料値上げにつながる危険性を示しました。

 塩崎氏は、子ども医療費助成を15歳以上に拡充した自治体について、10年間で通院費の助成は3から204に、入院費は3から218に広がっていると答弁。ペナルティーについては「国保財政に与える影響を考慮しながら議論していく」とのべるにとどまりました。

「適正化計画」

 国保「改革」が、医療費抑制の新たな仕組みにつながる問題点も明らかになりました。

 都道府県は、国保の財政運営にとどまらず病床削減の「地域医療構想」や、医療費目標を設ける「医療費適正化計画」を策定することになっています。厚労相は、「地域医療構想」と整合性を持った「医療費適正化計画」をつくって進めていく考えを表明しました。

 高橋氏は、医師不足による病棟閉鎖などの現状が追認され、「医療の過疎化や医師不足を固定化しかねない」と強調。「医療費抑制策を都道府県の責任に負わせるものだ」とのべました。

保険外の拡大

 「患者申し出療養」の導入で、保険のきかない医療が増やされ、安全性審査は現行の6カ月から6週間に、前例がある場合は2週間に大幅短縮されます。

 高橋氏は、安全性の不確かな医療が出回ったり、新たな治療が保険外に留め置かれる危険性をあげ、「保険診療適用への道が遠のいたり、閉ざされることがあってはならない」と求めました。

 与党からも「保険適用されず医療格差を広げる懸念がある」(公明党)との質問が出ました。厚労相は「将来的に保険適用につなげていく」とのべるにとどまりました。

 法案では、後期高齢者医療保険料の特例軽減の廃止、入院食費の値上げ、紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担など“老いも若きも負担増”が盛り込まれています。

 高橋氏は「重い負担で医療にアクセスできない人を増やす」と反対。他党も「負担増について国民に説明すべきだ」(自民)とのべましたが、厚労相は「負担の公平性をはかるものだ」とのべ、低所得者に対する負担増を正当化しました。


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