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2015年3月25日(水)

「残業代ゼロ」 長時間労働化明らか

日弁連集会 米国の実態報告

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(写真)アメリカの事例から労働時間法制について学んだ集会=23日、衆院第2議員会館

 「残業代ゼロ制度」であるホワイトカラー・エグゼンプションを導入する一方で、最低賃金を引き上げているアメリカの現状を学ぼうと、日本弁護士連合会(日弁連)は23日夜、衆院第2議員会館で集会を開きました。

 安倍政権は、労働時間規制の適用除外制度を創設する労働基準法改悪案を今国会に提出しようとしています。

 2013年に安倍内閣が雇用の規制緩和を打ち出して以来、日弁連は3度にわたり反対の意見書や会長声明を発表。今年1月には、アメリカで現地調査をしました。

 会場いっぱいの150人が参加。日弁連貧困問題対策本部の中村和雄弁護士があいさつし、調査に参加した弁護士が報告しました。

 三浦直子弁護士は、ホワイトカラー・エグゼンプションの3要件の一つ、週あたり455ドル以上(年間284万円以上)という報酬レベルは、国政調査局が定める4人家族の貧困ラインより低い額だと指摘。残業代を支払われている労働者より、「残業代ゼロ」労働者の方が長時間労働になっているデータを示しました(グラフ)。長時間・過密労働が労働者の健康を害しているとの問題意識から、「働いた時間すべてに賃金、残業代が支払われるべきである」という公正労働基準法の精神に立った改正が準備されていると紹介しました。

 井上幸夫弁護士は、対象の要件を満たさない労働者にも広がったため、残業代を請求する訴訟が1年で8160件もあると紹介。アメリカに比べて救済制度が不十分な日本で制度が導入されることの危険性にふれ、「日本の動きは逆行している」と話しました。

 鴨田譲弁護士は、昨今の最賃引き上げの背景には、フルタイムで働きながら貧困で、物価が上昇するのに賃金は上昇しないなどの問題意識とあわせて、ファストフード労働者の大規模ストライキなどが後押ししていると指摘。時給を1ドル上げると1・24ドルの経済効果があるとの調査結果を紹介し、「貧困解消のために最低賃金の大幅な引き上げが必要であり、そのためには労働者や労働組合を中心とした運動が不可欠だ」とのべました。

 日本共産党の小池晃参院議員と高橋千鶴子衆院議員、自民・民主・社民の各党の国会議員があいさつしました。

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(図)出典 米会計検査院「公正労働基準法―現代労働におけるホワイトカラー・エグゼンプション」(1999年9月)


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