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2015年2月8日(日)

命守る 子ども医療費助成 全国に拡大中

住民と共産党 連携が力

いっそう充実へ運動さらに

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 子どもがけがをしたり病気になったときに、お金の心配なく医療が受けられる、子ども医療費助成制度が全国の自治体に広がっています。さらに、窓口無料化や対象年齢拡大など制度の拡充を求めるとりくみが各地で進んでいます。(武田祐一)


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 子どもの医療費助成は、保護者や市民運動、新日本婦人の会、全日本民主医療機関連合会、全国保険医団体連合会などの諸団体と日本共産党の支部が、ともに取り組んだ議会への請願署名が原動力でした。議会でも日本共産党議員が、ねばり強く訴えてきました。

 厚生労働省の調査(2013年4月1日時点)では、47都道府県と1742ある市区町村のすべてで何らかの外来・入院費用の助成を実施しています。

 47都道府県のうち入院・通院とも就学前まで助成をしているところが39都道府県にまで広がっています。助成の対象年齢も拡充しており、福島県では18歳年度末(高校卒業)まで、東京、群馬、静岡、鳥取の4都県が中学卒業まで入院・通院とも助成しています。現時点では小学校卒業までが7府県あります。

 群馬県では2009年から中学卒業まで外来・入院とも医療費の完全無料化を実現しています。所得制限も一部負担金もありません。

 同県では1970年代に乳幼児死亡率が最悪になりました。保護者や新婦人などが「子どもの命を守ろう。お金がなくて医者にかかれない状態をなくそう」と署名運動を始め、日本共産党も議会内外で奮闘。2001年には県内全市町村で就学前までの医療費無料化が実施されました。新婦人県本部副会長の野村喜代子さん(71)は「高崎市では小児医師会長が賛同してくれ、小児科医やお母さんたちからたくさん署名を集めました」と振り返ります。

 しかし、県の制度は入院が4歳まで、通院が2歳まででした。定例議会ごとに日本共産党県議が紹介議員となり請願署名を提出し、全会派に採択を要請。世論と運動が高まるなかで知事が完全無料化に踏み切りました。

 「保険証だけ持っていけば医者にかかれるのですから若い子育て世代がどんなに助かっていることかと思います」と野村さん。

 酒井宏明・日本共産党県議は「お金を気にせず医療を受けられるため、早期発見・治療ができ、重症化防止にもつながっています。今後は高校卒業までの無料化も展望したい」と語ります。

窓口無料化と対象年齢拡大も

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(写真)子どもの医療費助成制度、窓口支払いなしの実現を、と制度の拡充を求めて奈良県に署名を提出する新婦人などの人たち=14年12月

 子ども医療費の窓口無料化の実現を求めて、各地で住民と日本共産党のねばり強いたたかいが続いています。

 直近では、秋田県由利本荘市では、来年度から子どもの通院医療費を中学3年生まで完全無料化することが明らかになっています。住民の運動とともに、日本共産党の佐々木隆一市議が、中学生まで完全窓口無料化を繰り返し議会で求めてきました。

署名2万人分

 奈良県では2014年度から入院については中学卒業までの助成が実現しています。しかし通院についての助成対象は小学校就学前までで、医療費の窓口負担があります。助成金の給付は「自動償還払い」方式。これは病院の窓口でお金をいったん支払い、後日、保護者の口座に自動的に振り込まれるしくみです。父母からは「子どもの医療費の窓口払いをなくして!」という声が出ています。

 昨年12月3日、日本共産党奈良県議団が紹介議員となって、子ども医療費助成の拡充を求める署名約4千人分を県議会に提出しました。これまでに提出した分とあわせて2万人分以上に及びます。同月の県議会で共産党の小林照代県議は「窓口無料化」を迫りました。ところが県側は「自動償還払いはいい方式だ」として「窓口無料化」を見送りました。

 山村さちほ党県議団長は、こう指摘します。「県の本音は窓口無料化にすると、国の負担金が3億円も減らされるペナルティーがあって大変だということです」。このペナルティーとは医療費無料化制度に対して、国民健康保険国庫負担金の減額という制裁措置を科すものです。これについては県も今後「国に廃止を求めていく」と答えています。山村県議は「2月の議会でも引き続き追及します。県議選でも医療費窓口無料化の実現を大いに訴えたい」といいます。

意見書を国に

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 昨年12月、岩手県議会では、子どもの医療費助成制度拡充を求める請願を日本共産党も含めて、全会一致で採択しました。この請願は、すべての子どもの医療費の窓口負担をなくすことと、中学校卒業まで対象年齢を引き上げること、窓口無料化を理由にした国民健康保険の国庫負担金の減額措置を廃止するよう国に意見書を上げるというものです。

 共産党の斉藤信県議団長は「東日本大震災の津波で被災した市町村は独自に子ども医療費助成を拡充しています。東北では窓口無料でないのは岩手県だけで最も遅れています。県は来年度から子ども医療費助成の窓口無料化へ踏み出すべきです。県民の皆さんと運動を強めていきたい」と決意を語っています。


国民健康保険国庫負担金の削減措置

 医療機関の窓口で無料にすると患者が増えて、国民健康保険の国の負担分が増えるので、市区町村へ払う国庫補助金を減らすというものです。また、患者の自己負担がある場合には国庫補助金を減らす率が緩くなるため、市区町村が患者に窓口負担をさせる理由にもなっています。

 日本共産党は、小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化する国の制度を確立し、その共通の制度の上に、全国に広がった自治体独自の助成制度をさらに前進させることを政策に掲げてきました。

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