2015年2月6日(金)
「改憲発議は参院選後に」
自民本部長に首相応じる
安倍晋三首相は4日、自民党の船田元・憲法改正推進本部長と首相官邸で会談し、船田氏が2016年夏の参院選の後に最初の改憲発議を目指す考えを伝えたのに対し、「それが常識だろう」と応じました。改憲発議の日程について安倍首相が言及したのは初めて。自民党として、衆参両院での改憲論議を本格化させる姿勢を示したもので重大です。
改憲について船田氏は、環境、財政、非常事態対応などのテーマに分けて段階的に議論し、今国会中に衆参両院の憲法審査会でテーマの優先順位について議論を始める意向を示しました。首相は「開かれた場の議論で中身を絞り、丁寧に進めてほしい」と指示しました。
船田氏は会談後、記者団に対し、改憲テーマを絞り込む議論について「本予算の予算委員会の基本的質疑が終わるころ始めたい」と述べました。
衆参両院のそれぞれ3分の2以上の賛成で改憲が発議されると国民投票が行われ、過半数の賛成で承認されます。与党の自民、公明両党の勢力は、衆院では3分の2を超えていますが、参院では届いていません。安倍首相は、来年夏の参院選で議席の上積みを図り、改憲の環境を整える狙いです。
自民党は憲法9条2項を削除し「国防軍」創設を明記した改憲草案を示していますが、「環境権」創設などを優先させ、世論に働きかける動きをみせています。