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2015年1月12日(月)

報酬引き下げ

「介護の危機」に拍車

政府の役割を放棄

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(写真)報酬切り下げに反対する「介護を育む緊急全国集会」=8日、東京・日比谷公会堂

 安倍内閣の大臣折衝で11日、「介護報酬」を2015年度から2・27%引き下げる方針を決めました。

 全国老人保健施設協会が取り組んだ削減反対署名が1カ月で142万人も寄せられ、幅広い介護・医療団体が共同で反対集会を開くなど削減反対の声がわき起こっています。そうした声を一顧だにせず削減を強行することなど許されません。

 特別養護老人ホームだけをみても3割は赤字経営であり、消費税増税とアベノミクスによる物価上昇が追い打ちをかけています。特別養護老人ホームの入所待機者が52万人を超え、現役世代の介護離職が毎年10万人にのぼるなど、「介護の危機」が深刻になっているときに、介護報酬の大幅削減を強行することは政府としての役割を放棄するものです。

 介護報酬は過去4回改定されていますが、実質増額となったのは1回。今回を加えると通算で実質約5%の削減となります。介護サービスの量も質も拡充していかなければならないのに、異常事態というほかありません。

 介護報酬の削減は経営を直撃し、地域の介護力を低下させ、「介護難民」の増大など危機をいっそう深刻にします。平均月収が全産業平均より約10万円も低い介護現場の労働条件をさらに悪化させます。政府は、労働者の処遇改善部分は増額するとしていますが、報酬全体を引き下げれば労働条件悪化と深刻な人手不足を加速させることは必至です。

 いまやるべきは、介護保険の国庫負担割合を引き上げ、国民・利用者の負担を抑えながら、介護報酬を引き上げるなどサービスを拡充していくことです。

 総選挙で安倍政権は「医療・介護等の充実を図る」(自民党の政策パンフレット)と公約しました。「選挙が終われば、さっそく切り下げ」(全国老人福祉施設協議会・石川憲会長)と批判の声が上がるのは当然のことです。民意無視の暴走は、国民との深刻な矛盾を広げざるをえません。介護現場・国民の切実な声に耳を傾け、無法な削減は中止すべきです。(深山直人)


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