「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年1月6日(火)

民意無視し「改革断行」

安倍首相が年頭記者会見

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 安倍晋三首相は5日、三重県伊勢市で年頭記者会見を行い、自らの政治を「戦後以来の大改革」と呼び、「あらゆる改革を大きく前進させる1年にしたい。通常国会は『改革断行国会』にしていきたい」と述べました。

 首相は、「積極的平和主義の旗のもと、世界の平和と安定のためにいっそう貢献していかなければならない。その明確な意思を世界に向けて発信したい」と述べ、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」にもとづく安全保障法制整備を進める考えを表明。戦後70年の首相談話を発表する意向も示しました。

 また、首相は「アベノミクスを実りあふれる大木へと成長させなければならない」と述べ、経済格差を拡大させたアベノミクスの継続を主張しました。

 原発再稼働や安全保障法制の整備、改憲など国民から強い反発があがっていることについては、「選挙の結果、再び政権を担うことになった。われわれが政権公約で約束したことは、しっかりと実行していかなければならない」と表明。国民の意向を無視して進める構えを示しました。

 戦後70年の首相談話について、アジア諸国に対する「植民地支配」と「侵略」への反省とおわびを表明した1995年の「村山富市首相談話」の表現を踏襲するのかと記者から問われ、首相は「安倍内閣としては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」としか答えませんでした。

矛盾深め墓穴掘る暴走

 5日の年頭記者会見で安倍晋三首相は「あらゆる改革を大きく前進させる」と述べ、経済政策だけでなく、安全保障や原発など、自ら掲げる政策を断行していく考えを改めて明らかにしました。これらの政策は、いずれも国民の中に多数の慎重・反対論が根強くあるものばかり。民意無視で暴走することは許されません。

 首相は年頭会見で、「選挙の結果、再び政権を担うことになった。公約で約束したことは実行していかなければならない」と暴走を合理化しました。しかし、国民が安倍政権の政策を積極的に“信任”したものではないことは、総選挙結果からも明らかです。

 有権者全体で自民党の得票率は、比例代表で16・99%、小選挙区でも24・49%にすぎません。総選挙後の世論調査でも、改憲や原発再稼働など安倍政権が進めようとしている政策に5割から6割が反対の意思表示をしています。首相は「公約」を口にしましたが、総選挙で国民に示した自民党の政権公約には「集団的自衛権」の文字すらありませんでした。

 首相は「アベノミクスという種は、この2年間で大きな木へと成長し、いま実りの季節を迎えようとしている」と胸をはりました。しかし、実質賃金は17カ月連続マイナスなど、格差を拡大するアベノミクスが国民の暮らしと日本経済の立て直しに結びつかないことも、すでに明らかです。

 戦後70年の談話について首相は、「植民地支配」と「侵略」への反省とおわび、という「村山談話」の核心部分を継承することも明言しませんでした。こうした民意無視の暴走を首相が続けるかぎり、国民との矛盾をいっそう深め、自ら墓穴を掘ることになります。

(佐藤高志)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって