2014年12月4日(木)
パレスチナ国家承認を
仏下院が政府に求める決議
【パリ=島崎桂】フランスの国民議会(下院)は2日、パレスチナを国家承認するよう政府に求める非拘束決議案を賛成多数で可決しました。欧州各国による同様の決議は、10月以来4カ国目。国際法に反してパレスチナへのユダヤ人入植地建設を進めるイスラエルは、即座に反発する姿勢を示しました。
与党・社会党が提案した決議案は「(イスラエル・パレスチナの)2国家共存による解決策は、パレスチナ国家の承認を前提としている」と指摘。イスラエルによる「パレスチナ領土の植民地化」を非難しました。併せて、エルサレムを両国の首都とするよう要求。国境については、イスラエルがヨルダン川西岸とガザを占領した第3次中東戦争(1967年)以前の境界に基づくよう求めました。
採決では社会党の他、左翼戦線(仏共産党と左翼党の統一会派)や環境政党が決議案を支持。賛成339、反対151で可決しました。サルコジ前大統領率いる最大野党・国民運動連合の所属議員の多くは反対しました。
パレスチナ自治政府は今回の決議を歓迎し、仏政府による決議内容の実現を求めました。一方、在仏イスラエル大使館は声明で、パレスチナとの「(和平)合意に達する可能性を遠ざけるものだ」と非難しました。
欧州では10月以来、スウェーデンがパレスチナを公式に国家承認したほか、英国、アイルランド、スペインの議会も相次いで同様の決議案を可決。欧州メディアによると、欧州連合(EU)の欧州議会でも、決議に向けた準備が進んでいます。