「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年11月6日(木)

米中間選挙 与党民主党が大幅減

共和党が両院で過半数に

オバマ政権 運営いっそう厳しく

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【ワシントン=島田峰隆】オバマ米政権の6年間の審判となる中間選挙が4日、投開票されました。米メディアによると、与党民主党が大幅減となる一方、野党共和党は上院(定数100)で8年ぶりに過半数を獲得しました。同党は下院(定数435)でも引き続き過半数を確保しました。


 上下両院を野党が握ったことで、任期2年を残すオバマ政権は今後いっそう厳しい政権運営を迫られることになりそうです。

 米紙ワシントン・ポストによると、米東部時間午後11時30分現在、共和党は上院で、非改選と合わせて52議席を獲得し、さらに議席を増やす可能性があります。民主党は45議席にとどまっています。共和党は、上院の接戦州だったアイオワ、ウェストバージニア、アーカンソー両州などで民主党から議席を奪いました。

 ルイジアナ州の上院選は過半数の票を獲得する候補が出ず、12月6日の決選投票に進むことが確実となりました。残りはアラスカ、バージニア州の2議席です。

 下院では共和党はすでに現有議席を上回る242議席を得ており、180議席の民主党を大きく引き離しています。

 ケンタッキー州の上院選で当選確実になった共和党のマコネル上院院内総務は4日夜、集まった支持者らを前に、「われわれは米国をこれまでとは異なる方向に据えるだろう」と勝利宣言しました。

解説

政権への信頼喪失・いら立ち反映

 米中間選挙で与党民主党が上院でも過半数を失った背景には、オバマ政権が掲げる“変化”の成果に国民の不満、戸惑いが広がっていることがあります。

 民主党は、過去4年半で1千万人以上の新規雇用を創出し、オバマ大統領の就任時には10%以上あった失業率が今は6%を下回ったと強調。2008年の経済危機から国を立て直したと“成果”を訴えました。

 しかし最低賃金引き上げや移民制度改革などの重要公約は、野党共和党の反発もあり実現していません。国民が強く懸念する所得格差の広がりにも有効な手が打てていません。

 10月末の世論調査では経済状況が「悪くなっている」「変わらない」と答えた人は合計で約7割に上り、国民の多くは景気回復を実感できていません。オバマ氏の支持率は過去最低の40%程度。同氏が最終盤に東部州で行った民主党集会での演説は聴衆の抗議で4回も中断されるなど、従来の支持者にも不満が広がっていることをうかがわせました。

 共和党はオバマ氏の不人気を利用した宣伝を繰り広げました。またイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」への対応やエボラ出血熱への対応が後手になっていると批判し、“強いアメリカを取り戻そう”と訴えました。

 共和党は躍進したものの、その主張が国民に受け入れられたとは言えません。再選された上院のコーニン共和党院内幹事は「国民が突然、共和党に恋したわけではない。オバマ政権への信頼喪失であり、国民のいら立ちの反映だ」としています。

 世論調査では最低賃金引き上げや雇用増、所得格差の解消などは民主、共和の支持を問わず国民多数の要求です。2016年の大統領選挙に向けて、オバマ政権はもとより、共和党にも国民の願いにどう応えるのかが問われることになります。 (ワシントン=島田峰隆)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって