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2014年10月11日(土)

世銀会議「エボラ対策 支援強化を」

西アフリカ諸国が訴え

死者3800人超 医療体制が崩壊

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 【ワシントン=島田峰隆】世界銀行は9日、ワシントン市内で、西アフリカ諸国で猛威を振るっているエボラ出血熱の対策を協議する国際会議を開きました。西アフリカ諸国の大統領らが演説して惨状を訴え、緊急の支援策を大幅に強めるよう世界各国に求めました。


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 国連によると、西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネではこれまでの感染者が8000人を超え、3800人以上が死亡。医療関係者も200人以上が亡くなりました。

 シエラレオネのコロマ大統領はテレビ電話で「国民が亡くなり、子どもたちは孤児になっている」と強調。医療関係者が亡くなり医療システムが破壊されていることや、感染者の3分の2以上が15〜50歳の国民で経済活動に深刻な影響が出ていることを指摘しました。

 同大統領は「この悲劇は世界の人々の安寧と安全を脅かす」と警告。「紙の上での約束も良いが現場での実際の援助が最良だ」と述べ、国際的な支援を早急に強めるよう求めました。

 リベリアのサーリーフ大統領もテレビ電話を通じて演説。同国は最近マラリアの症例の減少や子どもの死亡率の低下などの成果を上げてきたものの、「エボラ出血熱により中断されてしまった」と述べました。

 会議に出席したギニアのコンデ大統領は「まだ多くの課題がある。しかし技術面、資金面での能力が限られている」と訴え、医療器具や医薬品といった物資、医療関係者の教育・訓練などの資金を要請しました。

 米政府は西アフリカに最大で4000人の米兵を派遣し、隔離治療施設や医療関係者の訓練施設を設置するとしています。米メディアによると、英国もシエラレオネに治療センターを設置するために兵士の派遣を発表し、ドイツも防護服の提供を始めています。

 しかしこうした支援は感染拡大を防止するには全く不十分な規模です。世銀のジム・ヨン・キム総裁は「リベリアで感染者を治療するには今日1日だけでさらに360人の外国人医療関係者が必要だと見積もられている」と指摘しました。

 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は「支援を少なくとも20倍にする必要がある。国際社会が立ち上がる時だ」と呼び掛けました。


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