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2014年10月10日(金)

シリア北部 都市陥落の危機

クルド住民虐殺の可能性

トルコで救援デモ

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 シリア北部トルコ国境沿いのクルド人居住都市アインアルアラブ(クルド名コバニ)がイスラム過激組織「イスラム国」の攻撃で陥落の瀬戸際に立っています。クルド民兵組織が防戦に苦慮する中、米軍などは8日、同地で勢力を増すイスラム国に対して引き続き空爆を実施。一方、米国から地上軍派遣を迫られているトルコ政府は慎重な姿勢を見せています。 (野村説)


 米軍は8日、現地のクルド人部隊などを支援する目的でヨルダン軍と共に8回の空爆を実施し、イスラム国の装甲車や補給所、施設を破壊しました。シリアへの空爆は2週間以上続いています。

 しかし、イスラム国側の攻撃がやむことはなく、米国防総省のカービー報道官は同日の会見で「空爆のみでアインアルアラブが救われることはない」と述べ、現状では同地の防衛が困難との見方を示しました。ロイター通信によると、米高官は軍事介入に踏み切らないトルコへのいらだちを強めています。

 トルコ議会は2日にシリアへの派兵については承認しましたが、イスラム国と本格的に交戦すれば自国へのテロの脅威が高まることなどから、具体的な軍事作戦については言及を避けています。

 ロイター通信によれば、トルコのエルドアン大統領は、同国の地上軍をシリアに越境派兵した場合、アサド政権から攻撃を受けないよう米国などの有志連合が国境付近に飛行禁止空域を設定するよう要求しました。

 トルコ各地では7、8の両日、クルド人による激しい反政府デモが行われました。イスラム国によって同胞が迫害されていることへの政府の無策に対し「トルコ政府が十分な対応を取らず、住民を見殺しにしている」との怒りが爆発。デモに伴う衝突で18人が死亡しました。また、欧州各国でも8日、クルド系住民が同胞を虐殺から救えと要求しデモを繰り広げました。

 トルコは、シリアと約900キロにわたり国境線を接し、人口の2割にあたる1500万人のクルド人が居住しています。

 アインアルアラブが陥落した場合、イスラム国による住民虐殺の可能性があり、クルド人民兵組織は必死に防戦をしています。


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