2014年9月18日(木)
ウクライナ EU連合協定を批准
FTA発効は延期
【パリ=浅田信幸】ウクライナ最高会議(国会)は16日、欧州連合(EU)との政治・経済関係を強化する「連合協定」を批准しました。欧州議会も同時に批准し、ウクライナはEUとの経済的一体化に向けた「歴史的」な一歩を踏み出すことになります。
連合協定は2部からなり、政治部分は3月、経済部分は6月に調印されました。協定の核となるのは自由貿易協定(FTA)ですが、内外の事情を考慮し、FTA発効は来年末まで延期されました。
ウクライナと経済関係が深いロシアは、連合協定締結に強く反発。ロシアは、競争力のある安価な商品がウクライナを経由してロシア市場に流入することを懸念し、発効の延期を強く求めてきました。
経済・財政危機にあるウクライナにとっても、EUとのFTAを速やかに発効させることは「劇薬」に等しく、欧州委員会の予測ではウクライナが失うもの(輸入関税)は得るもの(対EU輸出増加)を上回ります。ウクライナ産業の破綻が現実味を帯びかねません。
発効延期は、批准直前の12日、ロシア、EU、ウクライナの協議で合意されました。協議に参加したEUのデフフト貿易担当欧州委員は「ウクライナの非常に困難な経済情勢がその理由だ」と述べていました。