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2014年9月10日(水)

イラク新内閣が発足

「挙国一致」へ第一歩

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 【カイロ=小泉大介】イラク連邦議会(国会)は8日、アバディ首相候補が提出した組閣名簿を賛成多数で承認し、アバディ新内閣が発足しました。同国で台頭するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対抗する「挙国一致体制」が第一歩を踏み出した形ですが、国防相、内相の重要ポストは各宗派・民族間の調整がつかず選任が先送りされました。


国防・内相、先送り

 イラクでは、イスラム教シーア派のアバディ首相に加えて、名誉職的な大統領にクルド人のマスーム氏が、連邦議会議長にはスンニ派のジュブリ氏がすでに就任しています。8日の連邦議会で専門閣僚に加えて副首相と副大統領各3人も承認されましたが、いずれも宗派・民族間のバランスを考慮した人選となりました。

 国防相、内相に関しては、アバディ首相が議会に対し候補者の提示まで1週間の猶予を求めました。これらのポストは、これまでシーア派のマリキ前首相が兼任してきたもの。同氏は「宗派対立」をあおりイスラム国の台頭を許したとして内外から辞任要求を突き付けられましたが、その強権政治を支えたのが二つのポストでした。今後の選任をめぐり各派の激しいせめぎ合いが繰り広げられるとみられます。

 「挙国一致体制」樹立に向けた動きの一方で、米軍の軍事支援を受けたシーア派主導の政府軍によるイスラム国への攻撃が拡大しています。空爆の巻き添えで民間人の犠牲が出るとともに、首都バグダッドをはじめ各地で爆弾テロ攻撃が多発するなど、混乱が収まる兆しは見えません。

 アバディ首相は8日の連邦議会で、「(イスラム国に対する)勝利が実現するまで、あらゆる地域での軍事作戦を支持する」と述べ、攻撃強化の姿勢を示しました。情勢の展開次第では政治的統一に否定的な影響を与える可能性があります。


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