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2014年9月9日(火)

米軍 イラク空爆 西部に拡大

「ダム防衛」と正当化

米国内 懸念の声も

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 米軍は7日、イラク政府の要請を受け、西部アンバル州のハディサ・ダム周辺で、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(IS)」への空爆を行ったと発表しました。米軍は8月初旬からイラクでイスラム国に対する空爆を継続。今回、北部に限定していた空爆対象を西部に拡大しました。(野村説)


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 ハディサ・ダムは現在のところイラク治安部隊の管理下にありますが、米軍はイスラム国の攻勢からダムを防衛するためとして空爆を実施。米CNNによれば、爆撃機による4回の空爆でISの軍事車両や検問所、塹壕(ざんごう)を破壊し、ダム付近の町バルワナを奪還しました。

 同ダムはユーフラテス川沿いにある同国第2の水がめで、イラク西部と南部の数百万人に水を提供しています。イスラム国がダムを破壊して洪水を引き起こせば、下流域の首都バグダッドなどで多大な被害が起きる可能性もあります。

 米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は7日の声明で、「ダムが破壊されたり放水が行われたりすれば、バグダッド国際空港を含め、(下流域に)壊滅的な脅威を与える可能性がある」として、空爆拡大を正当化しました。

 米軍は6日までの約1カ月間に北部で計133回の空爆を実施。8月中旬には、イラク北部モスルにある同国最大のダムを10回以上の空爆の末、イスラム国から奪還しました。ただ米国内では過激派組織の掃討を目指して空爆範囲が拡大していくことに懸念の声も上がっています。米国はイラクへの地上部隊の派遣を一貫して否定しています。

 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによれば、イラク内務省の報道官は8日、米国の支援はイスラム国を打倒する上で決定的だとして、「とりわけ空軍力の行使は取り組みをより短い時間で片付けられる」と述べました。


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