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2014年9月1日(月)

「労働運動の活動家として『資本論』をどう読むか」

未来社会と労働者階級の歴史的役割

労働者党後援会 不破社研所長が講演

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 全国労働者日本共産党後援会は8月30日、日本共産党本部で学習講演会を開き、不破哲三社会科学研究所所長が「労働運動の活動家として『資本論』をどう読むか」をテーマに講演しました。そのなかで不破氏は、未来社会を切りひらく労働者階級の歴史的役割をマルクスがどのように全面的に示したかを解明しました。


写真

(写真)講演する不破哲三社会科学研究所所長=8月30日、党本部

 不破氏は、マルクスの経済学が、資本主義の運動法則を「科学の目」で発見するとともに、資本主義の没落の必然性、それにとってかわる未来社会の展望を明らかにしたことを指摘しました。

 不破氏は『資本論』を執筆したマルクスの歴史を紹介し、とくに『資本論』第1部の完成稿が、1864年に結成された労働者運動の最初の国際組織インタナショナルの活動の中で書かれたこと、そのさい、マルクスが資本主義社会の変革における労働者階級の歴史的使命の解明に特別の重点をおいたことに、注目する必要があると語りました。そこでは、三つの「必然性」が重要です。

 第一は、労働者とその家族の生活と生存をまもるための階級闘争の必然性です。マルクスは、『資本論』第1部の第3編、とくに「労働日」の章で、イギリスの労働者階級の歴史と現在をとりあげながら、この問題を全面的に究明しました。マルクスは、そのなかで、資本の搾取を制限できるのは「社会による強制」だけだとし、労働者がかちとった「工場法」を生活と権利をまもる「社会的バリケード」と意義づけました。この解明は、現代の日本で「ルールある経済社会」をめざす闘争への、重要な指針となっています。

 第二は、新社会建設の主体に成長する必然性です。マルクスは第4編で、資本主義的生産が、初期の協業から機械制大工業にいたる過程で、労働者が生産過程を集団で握る「全体労働者」に発展すること、ここに未来社会を担う主役があることを解明しました。

 第三は、社会変革の闘士になる必然性です。マルクスは第7編の「資本主義的蓄積の一般的法則」の章全体をこの問題にあてました。資本主義は、恐慌の時や技術革新の時など、労働者を市場に投げだして大量の失業者からなる「産業予備軍」をたえず生み出します。社会全体に貧困と抑圧が広がる根源はここにあります。その根本的な打開のためには、労働者階級は、資本主義の枠内での闘争にとどまらず、資本主義そのものの変革にすすまざるをえないのです。

 不破氏は、続いて第7編の最後にある「収奪者が収奪される」資本主義の終末を描いた有名な文章を取り上げ、そこに、いま見てきた三つの必然性の総括があることを指摘し、資本主義はどんなに矛盾が大きくなっても自動崩壊するのではなく、その運命は労働者階級の成長・発展にかかっていること、共産党の成長・発展がその重要な要因の一つをなすことを強調しました。

 不破氏は、最後に過渡期と未来社会の問題について、とくに労働者階級の発展という立場から、そこにどのような問題があるかを中心に解明しました。

 参加者からは、講演を積極的に受けとめる感想が多数寄せられました。

 「未来社会を実現するには、生産現場を労働者が主役になる自主的な体制に変えることが必要だという話に共感しました。門前宣伝など職場でとりくむ活動の大事さがわかりました」(男性、62歳)

 「『資本論』には労働や未来社会について、現代の労働者に魅力的な内容がたくさん詰まっていることを深く学習できました」(女性、41歳)

 「未来社会論で『自由の国』『必然の国』の話が印象的でした。日々の活動に追われてしまいがちですが、今回のような“大きな話”を聞くことができて刺激になりました」(女性、37歳)

 開会にあたって、全国労働者後援会の大黒作治代表委員があいさつしました。


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