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2014年8月28日(木)

ガザの停戦合意

封鎖完全解除は協議次第

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 イスラエル軍と、イスラム武装抵抗組織ハマスが26日、長期的な停戦で合意したことに、2カ月近くイスラエルの猛攻撃を受けてきたガザでは、通りに何千人もの人々が出て、歓喜に沸きました。しかし占領地ガザの「巨大な監獄」といわれる状態は変わらないうえ、現段階で交戦が再発しない保証はなく、すべては今後の協議に掛かっています。

 報道によれば、停戦合意では、まず双方が攻撃を無期限停止したうえで、人道物資などの搬入のためにイスラエルが検問所の開放に着手し、ガザ沖合の漁業区域も拡大します。

 そして1カ月後をめどに、ハマスが求めるガザ空港の再開や港湾の建設を含む封鎖完全解除に関する協議を始めるとしています。いわば、難題を先送りした格好です。

厳しさの予感も

 2012年11月のイスラエルによるガザ空爆後の停戦合意もほぼ同様の内容でした。封鎖解除に向けた協議はその後うやむやにされ、ガザの状況は何も変わりませんでした。そして、ハマスのロケット弾発射を口実にした、イスラエル軍の大規模攻撃が繰り返される結果となりました。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は26日、「問題は次がどうなるかだ。われわれはあいまいな協議を繰り返すことはできない」と述べました。今後の協議の厳しさを予感させる発言です。

 イスラエルはこの間の停戦協議で、ガザ封鎖全面解除には、ハマスの武装放棄が必要との立場を鮮明にしてきました。閣内に多数の強硬派を抱えるイスラエル政府が簡単に姿勢を変えるとは考えにくいのが現実ですが、封鎖の解除がなければ、流血の事態が繰り返されるだけです。

共存路線推進を

 イスラエルの有力紙ハーレツのコラムニスト、ギデオン・レヴィ氏は本紙に対し、「もし封鎖が解除されていれば今回の事態は回避できただろう」と述べた上で、「イスラエルは今度こそ、紛争の根本原因を取り除くとともに、2国家共存路線にもとづくパレスチナとの和平を推進しなければならない」と強調しました。

 同氏がいうように、ガザ問題の根本的打開には、8年間続けられてきた封鎖の解除と、住民の劣悪な生活実態の改善が不可欠です。さらに恒久平和の実現のために、交渉を通じた占領の終結が必要です。

 もし、それらが実現してもなおハマスがイスラエルへの敵対姿勢を続けるなら、同組織には国際社会の強い批判が向けられ、パレスチナ人の支持も失うことになるでしょう。

 (カイロ=小泉大介)


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