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2014年8月16日(土)

エジプト  「同胞団」強制排除から1年

衝突続き混乱今も

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 【カイロ=小泉大介】エジプトで軍によるモルシ前大統領解任に抗議するイスラム主義組織・ムスリム同胞団のメンバーや支持者らの座り込みを治安部隊が強制排除してから14日で1年がたちました。この日は首都カイロをはじめ各地でモルシ氏の復職を求める同胞団と治安部隊との衝突が発生し、エジプトがいまだ混乱のただなかにあることが鮮明となりました。


 ムスリム同胞団は14日にカイロ中心部のタハリール広場などで大規模デモを開催する予定でしたが、治安部隊は厳戒態勢を敷いて同広場を完全に封鎖しました。同胞団側は道路を遮断し車のタイヤを燃やすなどして対抗。6人が死亡、数十人が逮捕されました。

 同胞団は反モルシ大統領の国民的デモを受け昨年7月3日に同氏が解任された直後から、カイロ2カ所の広場を占拠し座り込みを続けました。治安部隊は翌月14日にこれを強制排除し、多数の死傷者を出しました。

 実態調査を行ってきた国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部ニューヨーク)は12日発表の報告書で、強制排除で少なくとも817人が死亡したと指摘。「人道に対する犯罪」の疑いがあると批判しました。

 エジプト政府は、同報告は「偏見にもとづくものだ」と反発。テロ組織である同胞団の攻撃により、治安部隊側にも多数の犠牲者が出たことを、報告書は重視していないとしました。

 報道によれば、モルシ前大統領解任から現在までに、約2万人の同胞団員や支持者が逮捕されています。暫定政権(当時)は昨年12月に同胞団を正式にテロ組織に指定し、現在のシシ政権も弾圧の手を緩めずにいます。

 エジプトでは今年1月の新憲法制定、5月の大統領選挙に続き、年内実施予定の国会議員選挙でモルシ氏解任後の政治プロセスが完了する見込みです。これを前にエジプト最高行政裁判所は9日、同胞団の政治部門でモルシ時代の与党であった「自由公正党」の解散を命令。同胞団の政治参加の道がほぼ閉ざされたことから、同組織の一部がさらに過激化する危険性を指摘する声も出ています。


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