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2014年8月16日(土)

安倍首相の式辞と玉串料奉納

「変えてはならない道」変えた政権に未来ない

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 「歳月がいかに流れても、私たちには、変えてはならない道があります。きょうは、その平和への誓いを新たにする日です」。安倍晋三首相が15日の全国戦没者追悼式で述べた式辞の一節です。昨年の式辞にはない新たな言葉ですが、これほど空虚で欺まんに満ちたものはありません。

 戦後の日本は、日本軍国主義が推し進めた侵略戦争と植民地支配によるおびただしい犠牲とその反省のうえにたって国際社会に復帰しました。戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を定めた憲法9条はまさに国際公約です。「平和への誓い」を口にするならば、憲法9条を実現することこそが「変えてはならない」日本の道であり、政治の責務です。

憲法解釈を 百八十度覆す

 ところが、安倍首相は、「憲法9条の下では海外での武力行使はゆるされない」という従来の憲法解釈を百八十度覆し、集団的自衛権行使を容認する「閣議決定」を強行。海外での武力行使が可能となる法案準備に入っています。「変えてはならない道」を変えているのは安倍首相自身です。

 安倍首相の式辞には昨年に続き、アジア諸国に対する日本の加害の反省や不戦の誓いはまったくありません。2007年夏、第1次政権時の式辞で「わが国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」「私たちは、過去を謙虚に振り返り、悲惨な戦争の教訓を風化させることなく次の世代に継承する責任がある」と表明していたのとは雲泥の差です。この違いは、安倍政権がそれだけ歴史逆行を強め、「海外で戦争する国」づくりで暴走していることを示しています。

侵略戦争を 肯定する立場

 「平和への誓いを新たにする」と国民に説いた安倍首相は、昨年に続き靖国神社に、供え物の代わりとなる玉串料を納めました。

 靖国神社は、戦争中は国民を戦場に動員する役割を担った神社であり、現在も過去の日本の侵略戦争を「自存自衛の戦争、アジア解放の正しいたたかい」と丸ごと美化・宣伝することを、その存在理由にしている特殊な施設です。安倍首相の行動は、侵略戦争を肯定する立場に自らの身をおくことを世界に向かって宣言することにほかなりません。だからこそ昨年12月末の安倍首相の靖国参拝には「戦後の国際秩序を覆すのか」と国内外から強い批判・抗議が巻き起こりました。

 「変えてはならない道」を変える安倍政権に未来はありません。 (高柳幸雄)


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