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2014年7月23日(水)

「ガザ 即時停戦を」

死者600人超える 国連総長訴え

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 【カイロ=小泉大介】パレスチナ自治区ガザをめぐるイスラエル軍とイスラム武装抵抗組織ハマスとの戦闘が激化の一途をたどる中、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は21日、訪問先のエジプトの首都カイロで、双方に即時停戦するよう訴えました。同日には米国のケリー国務長官もカイロ入りするなど国際社会の動きが強まっています。


 潘事務総長はエジプトのシュクリ外相との会談後の会見で、「民間人の命を救うため、戦闘をいますぐ停止し、対話を開始しなければならない」と強調。同時に、「恒久的な平和のためには、ガザの封鎖が解除されなければならない」「私はイスラエルに対し、封鎖を解除してパレスチナ人の苦しみを終わらせるよう求める」とも表明しました。

 シュクリ外相は同じ会見で、エジプトが14日に示した無条件の攻撃停止を柱とする停戦案について見直す考えはないとしました。同案はイスラエルは受け入れ表明しましたが、ハマスは拒否しています。しかし、ロイター通信は21日、複数のエジプト高官が停戦案を改定する可能性に言及したと伝えました。

 ハマスのガザの最高指導者ハニヤ氏は21日の演説で、「われわれは血と勇気をもって封鎖を終わらせる決意だ。封鎖は不正義であり解除されなければならない」と述べて封鎖解除が停戦の条件だとの立場を改めて示しました。国連、エジプト、米国などによる協議の結果、ハマスの要求がある程度反映された新たな停戦案が示されるのかどうか注目されます。

 一方、ガザの現場では21日もイスラエル軍が空爆と地上侵攻を強化。現地からの報道によると、同軍は中部のアルアクサ病院まで爆撃し、医師を含む4人が死亡、70人が負傷しました。さらに、一家族28人が一度の爆撃で死亡する事態も発生。21日だけで少なくとも56人が死亡、約3分の1が子どもとされます。8日の本格攻撃開始からのパレスチナ人死者は604人以上、負傷者は3700人に達しました。

 イスラエル軍地上部隊が市街地に迫っているため、ハマスとの戦闘で死亡する同軍兵士も増え続けています。21日には7人が死亡し、イスラエル側死者は合わせて兵士25人、民間人2人となりました。それでも同国のネタニヤフ首相は、21日も「われわれは計画通り前進している」などと述べ、攻撃継続の意思を示しました。


 ガザ封鎖 イスラム武装抵抗組織ハマスが2006年1月のパレスチナ評議会(国会に相当)選挙で勝利し、翌年にガザを制圧したことを受け、ハマスを「テロ組織」とみなすイスラエルが本格実施。軍が検問所を含め境界をコントロールし、原材料、建築資材、燃料などの搬入、さらにイスラエルへの人の移動も厳しく制限したため、ガザ経済と住民生活に深刻な打撃を与えています。封鎖下、エジプトとの境界に「密輸」のための地下トンネル群がつくられましたが、昨年7月にエジプト新政権によりほとんどが破壊されました。封鎖によりガザは“巨大な監獄”状態に陥ってきました。


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