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2014年7月22日(火)

ガザ侵攻 死者500人超

夫も家も失くした■妻の遺体を路上に置いた

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 【カイロ=小泉大介】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザに対する空爆と地上侵攻は20日、8日に本格攻撃を開始してから最悪のレベルに達し、1日だけで100人以上のパレスチナ人が殺害されました。一方、イスラム武装抵抗組織ハマスとの戦闘でイスラエル側も20日に兵士13人が死亡するなど、憎悪の連鎖がとまる兆しはまったく見えていません。


憤る避難民

 イスラエル軍のガザ空爆開始から2週間のパレスチナ人死者は500人超、負傷者は3150人以上になりました。

 一方、ハマスのロケット弾攻撃や地上戦闘によるイスラエル人の死者は兵士18人、民間人2人となりました。

 イスラエルのネタニヤフ首相は20日の国民向け演説で、「イスラエルの平穏回復のために必要であれば作戦を拡大する」と明言しました。

 首相は、空爆や地上侵攻の目的はガザからイスラエルにつながるトンネルやロケット弾発射施設など「テロのインフラ」を破壊することだとするとともに、「ハマスは代償を払っている」と成果も強調しました。

 ネタニヤフ首相が成果といっても、攻撃による犠牲者の大半は子どもや女性など民間人です。

 ガザ市東部のシェジャイヤ地区で20日未明から断続的につづいた猛爆撃では60人以上が死亡し、数千人が住む家を追われました。

 その一人、主婦のアマル・ムスタファさん(49)は同日、緊急避難先の病院で本紙の電話取材に声をふりしぼりました。

 「午前1時に家が爆撃され夫と私の弟は即死しました。子ども5人のうち3人も負傷したため、救急車を手配しましたが、爆撃が止まらず、ようやく到着した時には4時間がたっていました。夫を亡くし、住む家も失くした私はどうしたらいいのでしょう。今後は学校に避難するしかないのですが、人であふれているので待ってほしいといわれてしまいました」

 同じくシェジャイヤ地区の大工の男性、ファティ・アブデルアアルさん(38)は「家族で避難しようと表に出たところを砲撃され、妻が死亡、私の母が負傷しました。母や子どもたちを病院に届けるため、妻の遺体を路上に置いてこざるを得なかった気持ちがわかりますか。私たちパレスチナ人には平和に暮らす権利はないのでしょうか」と問いかけるようにいいました。

 「こんなにも多数の人々が愛する者を奪われるとは。これは真の大虐殺だ」。ガザ市のシーファ病院で活動するノルウェー人のボランティア医師、マッズ・ギルバート氏はエジプト紙のインタビューでこう憤りました。

 ガザでは国連が運営する約60の学校に収容された避難民は20日だけで3万人増え、合計8万人を超えました。命をつないだ人々の人道状況も深刻化の一途です。


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