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2014年7月18日(金)

きょうの潮流

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 「日本の社会にいやな空気がはびこって、韓国や中国の作家とお互いに知り合うことが大事だとずっと交流してきた身としては、やきもきするばかりです。一作家として何ができるのか」▼小説家の津島佑子さんは語りました。早稲田大学韓国学研究所主催の連続講座「文化でみる現代韓国」の第4回「韓国の現代文学を読もう」と題した講演です▼1992年から日韓文学シンポジウム、それに続く日中韓東アジア文学フォーラムを中心となって開催してきた津島さんは、日本側の参加者が侵略戦争と植民地支配の歴史を認めた時から、率直な意見交換が始まり、理解と信頼が生まれたと回想します▼日韓文学シンポジウムで知り合った、韓国を代表する女性作家・申京淑(シンギョンスク)さんとは1年にわたって書簡を交わしました。国境が消えていくような共感を覚えながらも、申さんならどう思うか、という別の視点を持つようになった、と。「顔が見え、声が聞こえる交流が大事。ふれあえば、韓国の人たちの胸の中に生きているものを感じることができます」▼この講座を主催する同研究所所長の李鍾元(リージョンウォン)早大大学院教授は、「嫌韓など政治的不協和音ばかりが聞こえてきますが、若い世代はKポップや韓流ドラマ、韓国文化への関心が高い。もう一歩踏み込んだ深い理解を助けるために、韓国の多彩な顔を紹介し、望ましい日韓関係の土台を築いていきたい」と言います▼互いの違いに学び、共通点を見いだす営為の積み重ねが、共生の未来を開きます。


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