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2014年7月11日(金)

オスプレイ 全国規模で地ならし

訓練拡大・自衛隊導入狙う

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 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機MV22オスプレイが15〜20日にかけて相次いで東日本に飛来し、日本列島を縦断する計画が明らかになりました。強行されれば、東日本への飛来は沖縄への配備後では初めて。政府は沖縄の「負担軽減」を理由に、本土での訓練拡大と、自衛隊への導入計画をにらみ、全国規模で地ならしを進める姿勢を急速に強めています。

 オスプレイは、主翼の両端に付くエンジン部分の角度を変えることでヘリコプターのような離着陸と、固定翼機並みの速度の双方を兼ね備える輸送機。特殊な機体構造により、これまで乗員36人が死亡するなどの重大事故が相次いでいる上、日本の航空法で回転翼機に義務付けられる自動回転(オートローテーション)機能(別項)が備わっていません。

 沖縄への配備直前の2012年には、モロッコ(4月)、米フロリダ州(6月)で同型機が相次いで墜落。県民は島ぐるみで配備に反対の意志を示しました。

 配備にあたって米軍が公表した「環境レビュー」では、岩国基地(山口県)、キャンプ富士(静岡県)を拠点とした日本全土での訓練計画を明記。基地周辺や訓練ルート下の自治体・住民を中心とした反対・懸念の声も巻き起こしてきました。

 この間の本土訓練では、昨年秋の饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県)での日米共同訓練や岩国基地が拠点として常態化する一方、キャンプ富士など東日本での訓練は実現していませんでした。(経過年表)

 今回の厚木、キャンプ富士、横田の各米軍基地への飛来計画は、東日本における訓練拠点を模索する動きの一環とみられます。

 日本政府としては、沖縄県外への飛来・訓練を増やすことで、名護市辺野古への新基地建設が最大争点となる11月の県知事選へ向け、「基地負担の軽減」をアピールする狙いがあります。また、政府は今後5年間で17機のオスプレイを陸上自衛隊に導入・配備する計画で、訓練を国民に慣れさせる狙いもあります。

 本土訓練の拡大と自衛隊へのオスプレイ導入は、負担の「分担」ではなく、配備撤回という沖縄の本来の願いに反し、全国を危険な訓練場に変えるものです。 (池田晋)


 自動回転(オートローテーション)機能 飛行中にエンジンが停止した場合に、機体の落下による風力で翼を自動的に回転させて揚力を確保し、安全に着陸するための機能。航空法はこの機能がない回転翼機の飛行を禁止しているものの、米軍機は日米地位協定により適用除外となっています。

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