2014年7月10日(木)
ガザ空爆を本格化
イスラエル軍 予備役4万人招集
|
【カイロ=小泉大介】イスラエル政府と軍は8日、パレスチナ自治区ガザに対する空爆を本格化させるとともに、地上戦もにらみ最大4万人の予備役兵招集を決定しました。一方、ガザを拠点とするイスラム武装抵抗組織ハマスもイスラエルへの攻撃強化を宣言し、情勢は2012年11月のイスラエル軍によるガザ大規模空爆以来の重大局面に入りました。
イスラエルのネタニヤフ首相は8日の声明で、「イスラエルに対するロケット弾攻撃は許さない。私はハマスと他のテロ組織に対する本格的な戦闘体制を取るよう軍に命じた」と表明しました。同日はガザの約200カ所に対し空爆が行われ、パレスチナ当局によれば、少なくとも20人が死亡し、5人の子どもなど民間人12人も含まれました。
これに対しハマス側も8日、「すべてのイスラエル人が標的になる」と警告。ガザからイスラエルのテルアビブやエルサレムという大都市に向けてロケット弾を発射したと発表するなど、全面対決の姿勢を示しました。
今回の軍事衝突の発端は、6月12日に占領地ヨルダン川西岸でユダヤ人少年3人が誘拐され30日に遺体で発見されたことで、イスラエル政府はハマスの犯行と断定して多数を逮捕しました。7月2日には逆に東エルサレムでパレスチナ人少年が拉致され焼死体で発見される事件も発生しました。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は8日の声明でイスラエルに攻撃停止を求めるとともに、エジプトに対し停戦の仲介努力を要請し、同国がそのために積極的に動いていることを明らかにしました。