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2014年6月16日(月)

衆院選挙制度「第三者機関」設置 穀田国対委員長に聞く

小選挙区制を維持 “定数削減”の答申狙うもの

検証せず“丸投げ”は責任放棄

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 終盤国会をむかえ、日本共産党と社民党を除く8党は、議院運営委員会で議決し、衆院議長の下に衆院選挙制度「改革」の「第三者機関」を設置しようとしています。この問題について、日本共産党の穀田恵二国対委員長に聞きました。


写真

 ―なぜ、「第三者機関」設置に反対しているのでしょうか。

合意に戻って

 衆院の選挙制度改革をめぐっては、全党参加の実務者協議が2011年10月から29回にわたって行われてきました。今年に入り、民主など一部の党が、「第三者機関」の設置を提起。共産・社民が反対しているにもかかわらず、全党の協議を打ち切り、議運委での多数決で決めようとしているのです。

 選挙制度は民主主義の根幹であり、国民・有権者の参政権の問題です。全党が参加して議論すべきで、一部の党が談合し、多数の力で押し付けるやり方は、民主主義の否定につながり、許されるものではありません。

 実務者協議の中で、唯一、全党が合意した「確認事項」(昨年6月)では「よりよい選挙制度を構築する観点から、現行並立制の功罪を広く評価・検証し、抜本的な見直しについて、各党間の協議を再開し、結論を得るものとする」としています。この合意に立ち戻り、検証作業を行うべきなのです。検証作業を一度も行わないまま、「第三者機関」へ“丸投げ”するのは、政党・国会の責任放棄です。

 これらの点から、日本共産党は、「第三者機関」設置に反対しているのです。

 ―「第三者機関」に何を議論させようとしているのでしょうか。

むちゃな理屈

 議運委で野党5党の提案をもとに協議中です。その内容は、「現行の小選挙区比例代表並立制を維持したうえでの定数削減について、調査・検討」させようというものです。

 これは、一部の党が主張する「現行並立制を維持」を前提にしていますが、全党の合意とまったく矛盾するものです。

 いまの小選挙区制が民意を反映しない制度であることは、過去6回の選挙をつうじて明らかです。ですから、実務者協議の中で、自民・民主も含め全党が「現行制度では民意とゆがみがでる」との認識で一致し、「現行並立制の功罪を広く評価・検証」すると合意したのです。「検証」なしに議論は進みません。

 そのうえ、現行制度の維持を前提に「定数削減」を検討させるとしています。

 定数削減は、民主などが、消費税増税で国民に痛みを押し付けておいて“国会議員も身を切る”といってもちだしてきたものです。消費税と定数削減を結びつけること自体がむちゃな理屈です。

 国民の意見を議会に反映させるツールである議員の削減は、民意を切り捨て、国会の政府監視機能を低下させることにつながります。

 「議員定数がどうあるべきか」は、実務者協議でも、まともに議論されたことがありません。他党からも「議論が不十分だ」と指摘がありました。一方的に進めようとするのは、定数削減に根拠がないからです。

 そもそも、日本の衆院議員数は人口比でみると、歴史的に最も少なく、国際的にみても、ヨーロッパ諸国の2分の1から3分の1で、むしろ少ないのです。(グラフ参照)

 ―今週、どんな動きになるのでしょうか。

民意の反映を

 「第三者機関」の人選や具体的な設置要綱は示されておらず、議運委で協議が続きます。

 自民・公明は「人選は議長に一任」といいながら、「第三者機関の答申に拘束されるものではない」(自民・石破茂幹事長)と予防線をはっています。野党5党の方は、自らの主張を代弁する委員を押し込もうとし、議長は、自らが主導する意向をあからさまにしています。思惑はさまざまです。そのため、「第三者機関は時間稼ぎ」との批判も出てきています。

 大事なことは、小選挙区制を廃止し、多様な民意を正確に議席に反映する選挙制度に抜本的に改革することです。「民意が反映する選挙制度を」の世論と運動をさらに大きくしていきましょう。

グラフ

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