2014年5月31日(土)
選挙時期明示せず
タイ軍政が民政移管行程表
【シンガポール=松本眞志】クーデターから1週間が経過したタイで29日、プラユット陸軍司令官・国家平和秩序評議会(NCPO)議長は、軍政から民政移管までの3段階の行程表を公表しました。選挙などの具体的な時期は明示しませんでした。
プラユット氏が地域軍部隊や各省の治安作戦司令部とのビデオ会議によって語ったものだと、現地紙バンコク・ポストはNCPOのシリチャン報道官の話として伝えました。
これによると、第1段階で市民サービスの正常化をはかり、第2段階で立法府と改革評議会による国家機構改革の環境を創出、第3段階で民主主義復活のための選挙を実施するとしています。
シリチャン氏は、プラユット氏が時期は明示しなかったものの、「過去の問題を論議する時間はない」とのべて、行程表の「迅速」な実施を強調。国民の要求にそった予算の公平な運用と将来の政府に債務を負わせないことを誓約したと説明しました。タクシン元首相の処遇への発言もなかったとしています。
シリチャン氏はまた、プラユット氏が法律の厳格な適用を主張したとものべて、クーデターに抗議する国民の運動を力で抑え込むことをも示唆しました。
暫定首相や暫定内閣への言及もなく、当面、事実上の軍政主体であるNCPOの定期会議が、通常の閣議の代わりとなり、国民の前にNCPOの活動を公にして従来の政府機構との提携を検討すると語りました。