「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年5月13日(火)

ウクライナ 親ロ派「独立賛成多数」

住民投票に政府など「無効」

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

ロシア「意思尊重」

 【パリ=島崎桂】ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州で行われた住民投票に関連し、親ロシア派は11日夜、両州の独立に賛成する意見が多数を占めたとの投票結果を公表しました。ロシア大統領府は12日、両州の住民の「意思を尊重」し「対話を通じた、住民投票の結果の実際的な履行を期待する」との声明を発表しました。ウクライナ暫定政権や国際社会からは「茶番」「法的に無効」との批判が強まっています。

 投票では、親ロシア派が両州で樹立した二つの「人民共和国の独立を支持するか」が問われました。住民投票の責任者ロマン・ラギン氏は11日夜、ドネツク州での投票結果について「89・07%が賛成し、反対は10・19%だった」と表明しました。

 ドネツク州スラビャンスクの投票所を訪れた男子学生(20)はロイター通信に対し「私たちは、ただ自分たちの国に住みたいだけだ」と話す一方、住民投票後も「戦争は続くだろう」と述べました。

 ウクライナ暫定政権は同日、「法的に効力を持たず、ウクライナの領土の一体性には影響を及ぼさない」とのべ、住民投票が「ウクライナの憲法や法に違反している」(外務省声明)と指摘しました。

 旧ソ連のアゼルバイジャンを訪問したオランド仏大統領は「今回の出来事(住民投票)は何の結果も有しない」と述べ、25日実施予定のウクライナ大統領選こそ唯一合法的な選挙であるとの見方を示しました。

 欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表(EU外相)の報道官も、投票は「違法であり、いかなる結果も認めない」と指摘。全ての当事者に大統領選挙への協力を呼び掛けました。

 投票は、総人口700万人を超える両州のわずか50カ所ほどで実施されたとみられます。人口50万人のドネツク州南部マリウポリでも投票所は8カ所のみ。複数の投票所では、ウクライナ軍の街道封鎖により投票用紙が届かなかったため、投票が実施できなかったといいます。

 親ロシア派は各投票所での投票率が7〜8割に達したと主張。内務省は3割ほどにとどまったとするなど大きな隔たりがあります。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって