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2014年5月12日(月)

5500億円の税金を投入

「国際戦略港湾」は必要?

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 安倍政権が「成長戦略」としてすすめる国際コンテナ戦略港湾。水深の深い港湾を整備し大型船を呼び込んで貨物増を狙いますが、深い港をつくっても船は来ず、コンテナ貨物の実績も目標の半分程度です。政策の有効性が問われる状況が、日本共産党の辰巳孝太郎参院議員の質問で明らかになりました。


大深度の港 船は来ず

グラフ:北米航路コンテナ貨物量の目標と実績

 「国際コンテナ戦略港湾」に基づいて政府が選定したのは、東京・横浜(京浜港)と大阪・神戸(阪神港)の二つ。北米などとの基幹航路の維持・拡大をめざし16メートルの大水深バース(岸壁)を整備します。10年間で5500億円の税金を投入する予定で、2013年度までに1900億円の予算が計上されています。

 北米航路のコンテナ貨物量の目標と現状はどうなっているのか。

 辰巳氏の質問に国土交通省が明らかにしました。京浜港では2015年の目標265万TEU(コンテナ船の積載能力単位)に対し、12年の実績は107万TEU。阪神港では70万TEUの目標に対して同37万TEU。実績が目標の半分程度にしか届いていませんでした。

 08年の実績値と比べると、京浜港では1・7倍に増やす目標が逆に3割減少。阪神は1・5倍に増やす計画が2割以上減っているのが実態です。

 大阪港では12年に5万トン以上の大型コンテナ船の入港が155回ですが、水深16メートルの岸壁を使ったのは3回しかありません。その理由は、中国と行き来が中心で、大深度岸壁が必要な超大型船の必要はないからです。輸出入の割合が圧倒的にアジアに集中するなかで、北米向けコンテナの割合は12年に1・9%にすぎません。香港を含む中国向けが全体の6割を占めています。

 辰巳氏は、「ハード(港湾整備)に投資しても貨物は増えない。問題は自動車産業など輸出大企業が海外生産を増やして国内産業が空洞化していることだ」と指摘。大水深バース整備計画の中止を求め、港湾政策について競争から協調へ、一極集中から地域経済活性化に資するものに転換することが必要と提起しました。


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