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2014年5月9日(金)

主張

改憲手続き法採決

「解釈」も「明文」も改憲許さず

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 自民、公明、民主など与野党7党は、共同提出していた憲法改定の手続きを定めた法律(国民投票法)の改定案の衆院憲法審査会での採決を、日本共産党の反対を押し切り強行しました。改定案は改憲への環境を整えるためのもので、国民のなかで憲法改正についての機運が盛り上がっていない中では必要のない法律の改定です。自民党などは改憲手続き法改定の成立を見越して、まず憲法改正の発議要件を定めた憲法96条から改定すべきだなどと言い出しています。「解釈改憲」の企てとともに、「明文改憲」の企てにも反対の声を広げていくことが重要です。

国民は望んでいない

 政府の憲法解釈を変更するだけでこれまで認めてこなかった「集団的自衛権」の行使に道を開き、日本がアメリカといっしょに「戦争する国」になろうという「解釈改憲」の企てが強まる中で、国民のなかでは逆に、戦争を放棄した9条をはじめ憲法を守り生かすべきだという世論が強まっています。5月3日の「憲法記念日」を前後して各新聞やテレビがおこなった世論調査でも、「憲法9条守れ」の声が昨年に比べ、「朝日」では52%から64%に、「東京」でも58%から62%に、NHKでは30%から38%にと、いずれも増えています。国民が「解釈改憲」も「明文改憲」も望んでいないのは明らかです。

 改憲手続き法はもともと、第1次安倍晋三政権の時代に、9条などの改憲を首相の任期中に実現することをねらって自民党などが持ち出したものです。改憲手続き法は「数の力」で成立しましたが、国民が憲法改正を望んでいたわけではないので、実際の改憲はその後も進みませんでした。その法律で持ち越しになっていた国民投票年齢の18歳への引き下げなどを持ち出してきたのが今回の改定です。まさに改憲への環境づくりです。

 国民の多くが改憲を望んでおらず、憲法改正が現実の政治課題になっていないのは、当時も今も変わりません。しかも改定案は、国民投票年齢と一体で18歳に引き下げるはずだった選挙権年齢や成人年齢の引き下げは切り離し、公務員などの国民投票運動の自由化も制限するなど、「改正」どころか「改悪」というべき中身です。こんな改定で改憲の環境づくりにしようなどとはとんでもない話です。

 こんな問題の多い改定案なのに、自民、公明、民主など7党(参院では改革を含め8党)は数を頼んで今国会で押し通そうとしています。改定案の成立を見越して、自民党の船田元(はじめ)憲法改正推進本部長は「憲法記念日」の集会で、最初の国民投票で憲法改正の発議要件を定めた96条の改正をおこないたいと発言しました。現在衆参両院で3分の2以上となっている発議要件を引き下げれば、9条などの改憲がやりやすくなるという、改憲派の本音を示すものです。

どんな策動も許さず

 改憲手続き法を改定したからといって直ちに改憲が実現するわけではありませんが、船田氏のように、改憲に弾みをつけようという思惑は危険です。自民党など改憲派はさしあたり、憲法解釈を変えるだけで「集団的自衛権」行使に道を開く「解釈改憲」に熱中していますが、「明文改憲」の動きも軽視できません。憲法を守り生かすためには、改憲のためのどんな策動も許さないことが不可欠です。


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