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2014年5月8日(木)

主張

医療介護法案審議

国民の不安と怒りの声を聞け

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 安倍晋三内閣が提出し、衆院で審議が続く「医療・介護総合法案」(総合法案)に、医療・介護の現場をはじめ幅広い国民から不安と批判の声が強まっています。病気やけがなどでいざ困ったとき、いままで通りに病院や介護の仕組みに頼れなくなる―。国民の命と健康、高齢者と家族の安心を根底から崩しかねない大改悪です。国民が求めるのは安心できる社会保障の再生・充実です。その願いに真っ向から逆らう法案を押し通すことは許されません。

増税やむなしだった人も

 「軽度認知障害や初期の認知症の人が適切なサービスを受けられなくなることを危惧します」―。「認知症の人と家族の会」が法案に強い危機感を抱き「介護保険を後退させないで」と訴える署名を続けています。同会が独自署名に取り組むのは結成以来35年の歴史で初めてです。4月末に約6万5千人分を厚生労働省に提出した後も広がり続けています。

 約5000人が「人間の鎖」で国会を包囲した法案反対大行動(4月24日)でも、従来このような集会に名を連ねなかった人たちも参加し、「社会保障のため消費税8%はやむを得ないと思っていたが、法案を強行させてはいけない」と怒りの発言をしました。

 広範な人たちが怒りを募らせるのは、医療・介護総合法案が、いままでの医療・介護の安心の仕組みを大本から覆す内容だからです。医療制度では、都道府県に強い権限を与えて病院の病床削減を強行できる仕組みなどを盛り込みました。厚労省の医政局長は衆院審議で、病院を従わせるため“懐の武器”などと例えました。強権的な手法で「医療難民」を生み出すことは、国民の命と健康を脅かす逆行そのものです。

 介護保険では、2000年の制度発足以来、かつてない大規模な改悪が目白押しです。なかでも要支援1・同2の高齢者の訪問介護と通所介護を、国の責任で行う介護サービスの対象から除外する方針は、多くの高齢者と家族に「これまでのようなサービスが受けられなくなる」と不安を広げています。事業を移管するとされる市町村からも「受け入れは困難」との声が上がっています。

 いまでも要支援1・同2と認定されながら介護保険サービスを受けていない人は約3割にのぼります。総合法案は認定されてもサービスを受けられない人、そもそも「要支援」にも認定されない人を激増させかねない方針が盛り込まれています。高い保険料ばかり負担してもサービスを受けられない「負担あって介護なし」の事態に拍車をかけることは、介護保険の「保険」という構造そのものを根本から破壊しかねません。

安心の体制の充実こそ

 政府・与党は、国民の医療・介護の安心を求める国民の声に耳を傾け、医療・介護総合法案の強行をきっぱり断念すべきです。

 政府は総合法案に続き、来年の国会にむけて医療・介護の新たな国民負担増と給付削減の具体化を開始しています。消費税増税と一体で強行された「社会保障改悪プログラム法」にもとづく動きです。

 「社会保障の充実」という消費税増税の口実は完全に破たんしています。安心の医療・介護体制の再生・充実へ向けて国民の共同を大きく広げることが急がれます。


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