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2014年5月1日(木)

マンション敷地売却「改正」案

開発業者に適地確保!?

耐震不足を理由にするが…

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 建設後かなりの年代を経た耐震不足の既存マンションの敷地を売却する制度を導入する法案(マンション建替えの円滑法等に関する一部改正案)が開会中の通常国会に提出され、近く審議が行われる予定です。(党国民運動委員会・高瀬康正)


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(写真)再開発で高層マンション建築が進む東京都品川区

 国土交通省はこの制度導入の理由を「地震に対する安全性が確保されていないマンションの建替え等の円滑化を図る」としています。

 しかし、本当にそうなのか疑問です。法案では「建替え等」として、建て替えではなく、大手ゼネコン、デベロッパー(開発業者)による都市再開発の種地を確保することが目的なのではないかと専門家が指摘しているからです。

 法案では、「耐震不足で生命・身体の保護を図る」として、区分所有者の5分の4以上の賛成でマンションの敷地を売却できるとしています。

 また敷地を売却した場合、大幅に容積率を緩和することから、デベロッパーはその敷地を使い、超高層のマンション開発が可能となります。

 一方、敷地売却に反対した5分の1未満の区分所有者は意思に反して売却を強要されることになります。その敷地に新たに建てられるマンションに入居できる保証はありません。

 特に高齢の区分所有者は再度マンションを購入する資力がない、民間の賃貸住宅を借りるにも高齢や連帯保証人を得られないことを理由に、住居を確保することができず、結果としてホームレスになりかねません。

 またマンション区分所有者から賃貸している居住者はわずかの補償金で立ち退くことを迫られ、やはり生活基盤を失うことになります。

 耐震上、問題があるマンションの場合は耐震性を確保するため、改修や建て替えによって解決すべきです。

居住権保障考慮が必要

 マンション問題にくわしいNPO法人「建築ネットセンター」副理事長の榎本武光氏の話 敷地売却制度が適用される可能性のあるマンションは都心部に立地しているものが対象で高齢者や年金暮らしの世帯が多く、居住権の保障を考慮する必要がある。制度導入にあたっては、その目的や必要性、内容、導入によって制限される財産権の種類、性質など多面的、慎重に検討すべきです。


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