2014年4月25日(金)
ボリビア最賃 2割上げ
労組要求受け入れ
政権8年 3.3倍に
南米ボリビアのモラレス大統領は21日、月額の最低賃金を20%引き上げることなどで労働組合代表と合意したと発表しました。2013年のインフレ率が6.5%だった同国で、それを大きく上回る最賃の引き上げが実現することになります。 (菅原啓)
インフレ率上回る
地元紙ラソン22日付などの報道によると、政府とボリビア労働者中央本部(COB)は、月額の最低賃金を20%、基本賃金を10%引き上げることで合意。これにより、現行1200ボリビアノ(約1万7800円)の最低賃金は1440ボリビアノ(約2万1300円)となります。公務員や国営企業労働者は1月にさかのぼって賃上げが実施されることも合意されました。
交渉では当初、20%の最賃引き上げを求める労組側に対して、政府側の提示額は10%増にすぎませんでした。数カ月にわたる交渉の末、合意内容は労組側の要求を全面的に受け入れたものとなりました。
モラレス大統領は、20%増に合意した背景として、年頭から数カ月の国内総生産(GDP)が前年比6%拡大し、経済が順調に発展していることを説明。労働者の幸福のために「対応するのは責務だ」と強調しました。
COBのトルヒジョ執行書記は「政府は労働者たちが必要としていることを理解してくれた」と述べ、合意に満足を表明しました。
この間、経済の新自由主義路線からの転換を掲げるモラレス政権(2006年発足)は、国民や労働者の生活向上に力を入れてきました。今回の合意によって、最低賃金は8年間で約3・3倍に増額されることになります。
民間企業では、今回の合意を基礎に労使間で具体的な賃上げ交渉が行われる予定です。