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2014年4月25日(金)

主張

日米首脳会談

同盟が暮らしと経済破壊する

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 安倍晋三首相とオバマ米大統領が会談し、日米同盟の強化などで合意しました。最大の焦点といわれ、会談当日の未明まで調整が続いた環太平洋連携協定(TPP)の問題では合意に至らなかったものの、閣僚級協議の継続で早期決着させると確認しました。TPP問題が事実上持ち越しとなったのは、関税などの撤廃を原則とし、その受け入れを日本に迫るアメリカの要求と、国民の暮らしや日本経済とは両立しないことを浮き彫りにするものです。安倍政権は日米同盟に縛られて交渉を継続するのではなく、TPP交渉からの撤退をこそ決断すべきです。

TPP交渉撤退しかない

 首脳会談に先立つここ数週間のTPPをめぐる日米交渉は、まさに“異常”さが際立つものでした。日本側の甘利明担当相とアメリカ側のフロマン米通商代表部(USTR)代表との閣僚交渉は、先々週のフロマン代表が来日しての交渉でも、先週の甘利氏が訪米しての交渉でも決着がつかず、オバマ大統領の来日直前あらためて会談するあわただしさです。

 アメリカ、日本など12カ国が参加するTPP交渉は難航が伝えられます。日米両政府はTPP交渉を「加速」するには日米の合意が必要だとしていますが、焦点になった農産物や自動車の問題で結局合意に至りませんでした。TPP交渉参加国は日本が参加する前から「関税ならびに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する」ことで合意しています。安倍政権が昨年TPP交渉参加を決めたのは、この原則を受け入れたことになります。TPP交渉や日米交渉で日本政府がいくらコメや麦、牛肉・豚肉などの関税を残してほしいと主張してもアメリカの同意が得られないのは、まさにTPPそのものの危険性を証明するものです。

 交渉のなかで日本側が牛肉・豚肉など農産物関税の大幅引き下げや自動車の安全基準の緩和などを提案したと伝えられることは重大です。それさえ原則撤廃を求めるアメリカは受け入れませんでしたが、コメや牛肉などの輸入拡大は、日本の米作や畜産、酪農などの死活にかかわる問題です。安全基準は命にかかわります。異常な日米交渉が国民の暮らしと経済を破壊するのは明らかです。

 安倍政権が昨年TPP交渉への参加を決めたあと衆参の農林水産委員会は「農林水産物の重要品目については…除外又は再協議の対象にすること」を決議しています。関税の撤廃はもちろん引き下げも「除外」に反します。決議は農産物が守られないときは「脱退も辞さない」としています。TPP交渉の危険が浮き彫りになったいまこそ、交渉から撤退すべきです。

軍事的前のめり許されず

 TPP交渉の難航から、予定された共同声明の発表は遅らされたものの、首脳会談で日米同盟強化の一連の問題が打ち出されたのは重大です。日本の憲法の根幹に関わる集団的自衛権の行使を、オバマ大統領の支持を“お墨付き”に加速させるなどというのは許されません。会談では安倍首相の軍事的な前のめりが際立ちました。

 経済でも軍事でもアメリカをあてにして譲歩を繰り返す日本政府の姿勢は、まさに「亡国」への道です。従属的な日米同盟をやめさせていくことが不可欠です。


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