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2014年4月22日(火)

親ロ派が武装解除拒否

ウクライナ暫定政権とロシア非難応酬

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 【パリ=浅田信幸】緊迫するウクライナ東部のドネツク州では21日、緊張緩和措置での米ロなど4者ジュネーブ合意から4日目を迎えました。政府庁舎の占拠を続ける親ロシア派武装集団は、武装解除と庁舎明け渡しを拒否しており、むしろスラビャンスク近くで発生した銃撃戦をめぐり、ロシアとウクライナ暫定政権が非難を応酬、相互不信の深さを見せつける形となり、事態は好転どころか複雑化する気配が濃厚です。

 暫定政権が復活祭休戦を宣言した下で、銃撃戦は20日未明、スラビャンスク近くの親ロシア派武装集団が設けた検問所で発生し、ロシア国営テレビは親ロシア派3人と襲撃した集団の2人が死亡したと発表。ウクライナ内務省は3人の死亡を確認したとしています。

 同事件について、ロシア外務省は同日、声明を発表し、2月政変をもたらした親欧米派デモで大きな役割を果たした極右の「右派セクター」が襲撃の首謀者だと断定。「復活祭休戦は破られた。キエフ当局には民族派と過激派を武装解除する意思がないことを証明した」とウクライナ暫定政権を非難しました。

 「右派セクター」はこれを否定し、「ロシア秘密情報機関による挑発」だと反論。ウクライナ保安局(SBU)と内務省も「ロシアテレビのカメラマンが銃撃戦の現場に現れた素早さに疑念を抱かざるを得ない」と述べ、ロシア軍情報部による「やらせ事件」の可能性を示唆しました。

 ドネツクでは欧州安保協力機構(OSCE)の特別監視団が、ジュネーブ合意履行を支援するために活動を開始していますが、責任者のツィリケンス氏は銃撃戦について、真相確認は難しいとの判断です。

 一方、スラビャンスクの親ロシア派ポノマリョフ市長は20日、「ファシストがあらゆる手段を持ってわれわれを負かそうとしている」と述べ、ロシアのプーチン大統領に対し平和維持軍の派遣検討を要請、同時に「ドンバス人民軍」を立ち上げつつあることを明らかにしました。ドンバスはドネツク州とルガンスク州を合わせた地方の名前で、親ロシア派武装集団が10市前後の市庁舎や警察署を占拠し続けています。

 ウクライナのヤツェニュク暫定首相は同日、米国テレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領を「ソ連の復活を夢見ている」「ロシアは今日、世界にとっての脅威だ」と非難しました。


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