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2014年4月22日(火)

タイ首相 職務停止も

独立機関など判断に注目

農民融資の「不正」めぐり

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 【ハノイ=松本眞志】タイでは、インラック政権と反政府勢力の対立が長期化する中、首相の進退をめぐる司法や独立機関の判断に注目が集まっています。首相が職務停止か失職となる可能性もあり、タイ政局はヤマ場を迎えています。


 タイの国家汚職追放委員会(NACC)のサンセム報道官は18日、農家から高値でコメを買い取るコメ担保融資制度の資金損失疑惑での首相の「職務怠慢」に対する判断を、5月に行うとしました。

 NACCは今年2月、この問題でインラック首相を告発する方針を決定していましたが、インラック首相は一貫して無実を主張。3月にはNACCの事情聴取に出頭して弁明期間の延長や証人の追加などを求めました。NACC側は18日、首相を上院に「告発」するための証拠が十分にあるとして、証人追加について「不必要」との見解を示しました。

 インラック政権のキティラット副首相兼財務相は同日、NACCに対し弁明を行い、制度の運用段階での「不正」の存在を認めたものの、政府の対応は説明可能であり透明性があると主張。2013〜14年の間に「過剰な予算」をコメ担保融資制度につぎ込んだとのNACC側の言い分について、「コメ担保融資制度に新たな予算を割く余裕はなかった」と反論し、さらに「農民のために予算を組むことは不当な行為ではない。なぜなら全国で370万人もの農民が同制度で助けられたからだ」と説明しました。

 コメ問題とは別に、憲法裁判所は、政府の高官人事をめぐる憲法違反の有無について4月末ころに判断するとしています。憲法裁が首相を含む閣僚全員を失職させると判断した場合、「政治空白」の可能性も生じます。

 司法や独立機関による執拗(しつよう)な首相退陣を求める動きの裏で、反政府行動を主導するステープ元副首相は独自の政府を組閣する準備を進めています。政府や政府支持の反独裁民主統一戦線(UDD)はこれらを「司法クーデター」と非難、大規模デモを実施する構えです。英字紙バンコク・ポストなどはステープ氏の行動を「完全な独裁」と批判を強めています。


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