2014年4月12日(土)
賃金窃盗やめて! 時間外労働・各種手当の未払い
「生活できる賃金を」
ボストンの労働者
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【ボストン=洞口昇幸】勤務時間外労働や各種手当の未払いなど雇用主側による賃金の違法差し引き行為、“ウエージ・セフト(賃金窃盗)”への抗議行動が10日、米マサチューセッツ州のボストン市で行われました。実際に被害にあうファストフード業の労働者らが「賃金窃盗はやめて!」のシュプレヒコールを上げました。
行動は最低賃金の時給15ドル(約1520円)への引き上げを求める労働者支援組織「ファイト・フォー・15ダラーズ(15ドルを目指すたたかい)」などが呼び掛けました。参加者は、ハンバーガーチェーン店内で、ウエージ・セフトのひどさと最賃の引き上げを訴えました。
時給は8ドルでウエージ・セフトの被害に合う米マクドナルドの従業員、ダリー・シファスさん(23)=男性=は抗議行動に初参加。「参加して良かった。今の時給じゃとても生活できません。賃金を上げてくれれば、生活のための消費に回します」と語りました。
労働組合の組織担当のケイティ・ガールさん(35)=女性=は、「ウエージ・セフトは極めて犯罪的です。富裕層に富がさらに集中している今、低賃金労働者の“最低限”の生活を引き上げ、経済の不公平を改善すべきです」と述べました。
ウエージ・セフト 実際にはなかった休憩時間を入れ込むなどの勤務記録の改ざんや、出勤前や退勤後のタダ働きを強要するなどの手法で、雇用主が従業員に支払うべき賃金を違法に減額したり、給与や残業手当を支払わない行為。米「経済政策研究所」(EPI)によると、低賃金労働者の3分の2以上が被害にあっています。