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2014年4月10日(木)

仏地方選 極右「躍進」の裏 過剰な偏向報道

日本の「維新の会」ブームと同じ?

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 3月23、30日に投票が行われたフランスの地方選挙では、オランド政権与党の社会党が大敗したこととともに、移民排斥を訴える極右政党・国民戦線(FN)の「躍進」が世界のメディアの注目を浴びました。その背景の一つに、日本でのかつての「維新の会」ブームと同様、メディアの異常な役割を指摘する声もあります。 (パリ=浅田信幸)


 「FNに実力と釣り合わない番組登場機会を与え極右をあおった放送局とわれわれが同じだと見られることに、怒りと恥を表明する」―仏国営テレビ「フランス3」の従業員の一団が4日、経営陣に抗議文を突きつけました。

監督機関が勧告

 選挙報道が公正・平等に行われているかモニターしている視聴覚最高評議会(CSA)が、地方選締めくくりの評価を公表した直後のことでした。CSAは電気通信・放送等の規律・監督を行っている行政機関です。

 それによると、第1回投票前、「フランス3」は選挙戦を取り上げた番組の48%の時間をFNの紹介にあてました。最終盤ではこれが17%台に落ち着きますが、従業員らは、FNが候補者リストを届け出た自治体の人口を総計しても4・7%にしかならず、時間の割り当てが過剰だと批判します。

 ニュース報道を専門にするBFMテレビは2月10日〜3月7日の選挙戦序盤から中盤にかけた4週間、選挙報道の43%をFN紹介に割き、その「過剰ぶり」にCSAから是正勧告を受けました。

 この偏った報道で割を食うのは、二大政党(社会党、国民運動連合)以外の党。無料紙「20ミニュット」は、第1回投票から決選投票までの1週間、「例えば緑の党、左翼党、共産党はTF1で触れられもしなかった」と指摘します。TF1は民放テレビ局で、フランスでは最も視聴率が高いチャンネルです。

 FNは昨年来、世論調査で上位につけ、5月の欧州議会選挙では国内で第1党をうかがうともいわれます。注目が集まるのも当然といえますが、メディアがあおり、少し結果が出るとまたそれを大々的に報じる「維新現象」がフランスでも繰り返されています。

「大勝利」に疑問

 地方選挙でFNは10を超える自治体で首長をとり、メディアをにぎわせました。しかし、経済紙レゼコーは「過小評価の危険はあるが、3万6000自治体に対し11自治体がどれほどの重みを持つのか」「大躍進と言うことができるのか」と疑問を投げかけました。

 共産党のロラン党首は、人口3500人以上の自治体の149市長を確保した事実を明らかにし、「メディアによって大勝利者のように紹介されたFNを大きく上回り、共産党は首長と自治体議員のレベルで第3の政治勢力であり続けている」と強調しています。


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