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2014年4月9日(水)

インドネシア総選挙 きょう投票

汚職・貧困など焦点 民主化の節目に

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 【ジャカルタ=松本眞志】スハルト政権崩壊後4回目となるインドネシア総選挙の投票が9日、実施されます。各党とも7月の大統領選挙をにらんで、激しい選挙戦を展開してきました。


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(写真)ハヌラ党の集会に参加した人々=5日、ジャカルタ(松本眞志撮影)

 「民主党に再びこの国を主導する機会を与えてくれるならば、貧困者を支援し、公務員の給与を上げるための社会的支援を強める」。同党の支持率が低迷するなか、党首を務めるユドヨノ氏は選挙戦終盤となった3日、首都ジャカルタで支持者にアピールしました。

 ユドヨノ氏は汚職とのたたかい、失業率や貧困削減などの実績を強調。公約で向こう5年間、公務員の最低賃金を、現在の2倍の1カ月500万ルピア(約4万5500円)に引き上げるとしています。

世論調査では…

 一方、各種世論調査では10%を下回る支持率。この間、20%台を保持してきた野党闘争民主党や14〜16%を維持するゴルカルから大きく引き離されています。

 パラマディナ大学のジャヤディ・ハナン教授は民主党の支持率低迷について、「国民にとって民主党はすなわちユドヨノ氏だった。今回、ユドヨノ氏が(2期10年の任期を終え)大統領選に出られないことで、(民主党から)同氏の支持者が離れていった」といいます。ジャヤディ氏はさらに、支持率低下の要因として、アナス前党首が今年1月に建設事業収賄容疑で逮捕されたことなどを例に、民主党指導部の「汚職」にも言及。「国民は、汚職がもっともひどい政党は民主党だと考えている」と指摘しました。

 ハヌラ党党首のウィラント元国軍司令官も、ジャカルタでの集会で「汚職一掃」を呼び掛けました。闘争民主党のメガワティ党首は5日、中部ジャワ州で変革を求める国民の支持獲得をねらった戦略を展開。スハルト時代の与党ゴルカルのアブリザル・バクリー党首は、終盤、大票田の東ジャワ州のスラバヤなどで力を集中しました。ゴルカルは「スハルト時代、経済は安定していた」とし、改革に不満な層のとりこみをはかっています。

新政党の結成も

 1998年のスハルト政権崩壊から16年間、インドネシアでは、民主化をもとめる国民の声を背景に、改革がすすめられてきました。ユドヨノ政権の10年間は、比較的安定した経済成長が成し遂げられ、最低賃金引き上げをめざす全国規模のストライキが勝利するなど労働運動も活発化。それらを基盤とする新政党結成の動きもみられます。総選挙はインドネシアにおける長期的な民主化の過程のなかで、重要な節目となっています。

有権者1億8600万人東南ア最大

 インドネシア総選挙 5年に一度行われます。国会は現在一院制で定数560議席。77選挙区で12政党6千数百人の候補者が争います。地方代表議会、州議会、県・市議会の議員も一斉に選ばれます。アチェ特別州では12政党以外に三つの地方政党が州・県・市議会の議席を争います。有権者数は1億8656万9233人で東南アジアでは最大規模。選挙権は17歳以上、被選挙権は21歳以上。得票率25%か議席数の20%を得た政党・会派が大統領候補を擁立できるため、大統領選挙の事実上の前哨戦ともなります。


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