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2014年4月3日(木)

バス事故原因 「運転手の不調」急増

10年間で17件 ⇒ 58件に

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(写真)江ノ電バス横浜のバスが住宅の塀に接触。運転手が亡くなった現場=横浜市栄区

 北陸自動車道(富山県)で3月3日早朝に起きた高速夜行バス衝突事故で、バス運転手の過酷な労働実態と健康管理の問題が改めて浮き彫りになっています。

 国土交通省の「自動車運送事業用自動車事故統計年報」によると2012年の「運転者の健康状態に起因する事故」は、乗り合いバス、貸し切りバス合わせて58件(表)。02年の17件に比べ、10年間で3・4倍に増えています。12年の事故を病名別に見ると、消化器系疾患7件、くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞など脳疾患6件、失神4件、めまい4件、貧血3件、不明が16件など。運転手の平均年齢は乗り合い46・3歳。貸し切り50・5歳でした。

背景に規制緩和

 バス業界では2000年以降、事業への参入をしやすくするなどの規制緩和が実施され、過当競争になり、長時間労働、人件費抑制が進んできました。

 タクシー、ハイヤー、バス労働者の組合である「全国自動車交通労働組合総連合会」(自交総連)は、厚生労働省の2012年度「『過労死』等労災補償状況の推移」を分析。「道路運送業の過労死等の多さは際立っている」としています。

 運転手が過労により脳・心臓、精神の病気を発症し労災に認定された、雇用者10万人当たりの「認定率」(認定数/雇用者数×10万人)を比較すると…。

規定見直し必要

 脳・心臓疾患では、全産業平均が0・61に対して道路貨物(トラック)は4・1で全産業の「6・7倍」、道路旅客(バス・タクシー)は2・94で「4・8倍」でした。うつ病などを発症する精神障害では全産業平均が0・86に対して道路貨物は1・85で全産業の「2・1倍」、道路旅客は2・16で「2・5倍」でした。

 自交総連は「過労死は月の残業時間が80時間を超えると認定されることが多い。自動車運転手の場合、労働時間等の上限を決めた改善基準告示の規定自体が、月80時間を超える残業を容認する規定になっている。改善基準告示を改正する必要がある」といいます。

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