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2014年3月31日(月)

イラク・アフガン 帰還兵1日22人自殺

防止へ米で法案

自らも従軍 上院議員が提出

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 【ワシントン=島田峰隆】イラクとアフガニスタンの戦争から帰還した退役米兵がうつ病など「心の病気」にかかり自殺する例が止まらない中、イラクで従軍し、このほど上院議員になったジョン・ウォルシュ氏(民主党)が退役軍人への支援を強める法案を上院に提出しました。


 西部モンタナ州出身のウォルシュ氏は2004年から05年にかけてイラクに派遣され、歩兵大隊を指揮しました。昨年から州副知事を務めていましたが、同州選出のボーカス上院議員が駐中国大使に転出。残りの任期をまっとうする上院議員は州知事が任命できることから、今年2月、上院議員に指名されました。イラク帰還兵が上院議員になるのは初めてのことです。

 イラクとアフガニスタンの戦争の帰還兵は200万人以上います。国防総省に近いシンクタンク・ランド研究所によると、うち60万人が、戦地で経験した戦闘や破壊の恐怖から心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを患っています。

 退役軍人とその家族でつくる団体「全米イラク・アフガニスタン帰還兵」(IAVA)によると、1日平均22人以上の退役軍人が自殺。米メディアによると、12年には自殺した現役の米兵数が349人とアフガニスタンでの戦闘で死亡した米兵数を上回るなど、現役・退役軍人の自殺が後を絶ちません。背景にはPTSDなど「心の病気」が指摘されています。ウォルシュ氏は法案を提出した3月27日、「帰国しても戦地での経験は消えない」「メンタルヘルスの対策を改善しないと今後さらに代償を払うことになる」と述べ、法案成立を訴えました。

 法案は▽退役軍人省による帰還兵支援の期間を現在の3倍の15年に延長▽同省のメンタルヘルスの専門家を増員▽同省と国防総省がそれぞれ行っている対策を統合、効率化し、毎年見直す―ことなどを提案しています。

 IAVAは、法案提出を歓迎し、戦没将兵追悼記念日(今年は5月26日)をめどに法案を成立させるよう呼び掛けています。


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