2014年3月8日(土)
チュニジア暫定大統領
「革命」から3年非常事態令解除
【カイロ=小泉大介】チュニジアのマルズーキ暫定大統領は6日、ベンアリ独裁体制が崩壊した2011年1月の「革命」時から続いた非常事態令を5日付で解除したとの声明を出しました。
チュニジアでは「革命」後、イスラム主義政党アンナハダ主導の暫定政府と世俗野党勢力との対立・混乱に乗じる形で、イスラム過激派組織などによるテロや暴力が頻発。非常事態令にもかかわらず、昨年は有力な野党指導者2人が暗殺される事態も発生しました。非常事態令は繰り返し延長され、警察が国民のデモに介入する根拠ともなり、批判が広がっていました。
しかし昨年末に与野党対話が開始され、今年1月には新憲法制定と中立政府樹立が相次いで実現。今年中には大統領選挙と総選挙が実施される見通しとなっています。
ただ、政治プロセス前進の一方で、観光業の不振や高失業率などによる同国経済の悪化は、新たな混乱の火種となりかねない状況です。中立政府のジョマア首相は4日、透明な選挙実施への決意を示すと同時に、「率直にいって、経済情勢はわれわれが考えていた以上に深刻だ」と述べ、打開に向けた国民の協力を訴えました。