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2014年2月24日(月)

「マイナンバー」の危険な仕組み

公安警察などへの情報提供 施行令で“例外扱い”

違法な収集 拡大の危険

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 昨年5月に不十分な審議のまま国会で可決成立した「共通番号制(マイナンバー)」法を運用するための法施行令の意見公募(パブリックコメント)を政府が行っています。マイナンバー法は、番号を含む個人情報の提供を原則禁止していますが、今回明らかになった施行令では、政府の国会答弁にも反し、警察や公安調査庁への情報提供を広く認める危険な仕組みになっていることが23日、わかりました。


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(写真)衆院内閣委員会で法案に賛成する自民、公明、民主、維新、みんなの議員ら。手前で着席するのは、反対した日本共産党の赤嶺政賢議員=2013年4月26日

 マイナンバー法は、日本で暮らすすべての人に12桁の番号をつけ、個人情報を国が一元的に収集、利用するものです。自民、公明、民主、維新、みんな(分裂前)の各党が賛成し、可決・成立しました。

 同法の第19条では、特定個人情報(番号を含む個人情報)の提供を原則禁止。しかし「その他政令で定める公益上の必要があるとき」に提供できるとして、利用拡大に道を開く内容となっています。

 今回の施行令では、この中には、破壊活動防止法(破防法)、少年法、国際捜査共助等に関する法律など(一覧参照)の調査・捜査目的での提供を認めています。

 破防法をめぐっては、公安調査庁が日本共産党や市民運動にたいして、調査を名目に、違法な情報収集をおこなっています。マイナンバー法の施行令では、破防法27条の「公安調査官による法の目的の範囲内での必要な調査」を理由に提供を認めており、違法な情報収集が拡大する危険性が大です。

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 マイナンバー法の導入をめぐっては、政府は「行政の効率化」「真に手を差し伸べるべき者」への給付の充実など、税や社会保障の“利点”を強調。

 公安警察による利用について、国会審議では「そういう公安の世界というのはある意味最も比較的遠い世界かなという気がします」(昨年5月21日、参院内閣委員会で向井治紀・内閣官房内閣審議官)と答弁していました。

 今回の施行令は、マイナンバー法が国会での説明と全く違う目的で利用される危険を示しています。

 こうした公安調査などへの情報提供は、マイナンバーのネットワークを介さずに行われるため、自分の情報が利用されたことを知ることができません。また、マイナンバーの悪用を監視する第三者委員会「特定個人情報保護委員会」のチェックの対象外です。

 意見公募の締め切りは、24日となっています。内閣府は郵便(当日消印有効)と電子メール(電話、ファクスは不可)で受け付けています。

“後出しジャンケン”おかしい

 マイナンバー法に詳しい反住基ネット連絡会の白石孝さんの話 運用の具体的な中身を法案審議の時に明らかせず、後で政令に委ねる姑息(こそく)な“後出しジャンケン”はおかしい。この段階で、具体的な中身が出ても報道もされないし、反対の声も出にくい。国会で審議できない。秘密保護法の手法とも似通っています。施行令が出て、これから実施に至るまで、国民でしっかりチェックをしていこうといいたい。残り時間は少ないが、意見公募に意見を出してほしい。


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