2014年2月23日(日)
「自共対決」の現場から
原発以外の雇用そして安全こそ
声に出せない住民の思いを
福井・美浜町議選
![]() (写真)部屋ぎっしりの人が集まった河本たけし候補の事務所開き=15日、福井県美浜町 |
福井県内の原発立地自治体で唯一、日本共産党議員が空白となっているのが、美浜町です。すべての議員が原発賛成派です。
「安全神話」で県外避難せず
自治体がつくる原発事故を想定した「住民避難計画」をみても、他の自治体が避難先を県外としているのに対し、美浜町は県内にとどまる計画となっています。「安全神話」に寄りかかった原発依存の行政は深刻です。他の議員は何も語りません。
2003年に党議席が空白となり、04年8月に美浜原発の劣化した配管が破裂し、死者5人、重軽傷6人を出す事故が起きました。このとき、共産党議員はいませんでした。05年、関電は原子力事業本部を大阪の本店から美浜町に移しました。
佐藤正雄党県議は、「原発問題の申し入れは、美浜に行くのですが、地元に党議席がないことに、歯がゆい思いをしていました」と話します。
立候補を決意した河本さんは、長崎県香焼町(現長崎市)の生まれです。被爆者の話を身近に聞いて、放射能被害の恐ろしさを感じて育ちました。
10年前に美浜町の隣、敦賀市に移り住みました。福井県で「原子力は安全」だと宣伝されていることに驚きました。福島第1原発事故の起こる前年の10年には、美浜原発PRセンターにある配管の展示を見に行ったこともありました。
労働法制改悪政権への怒り
敦賀市のパナソニック若狭工場で働いていました。雇用の実態はパナソニックから指揮命令を受ける派遣労働者なのに、請負契約のように見せかける「偽装請負」でした。
パナソニックが「派遣切り」を強行しようとしたとき、日本共産党や労働組合に出合い、違法を告発して福井労働局の是正指導を勝ち取りました。会社は09年1月、一度は直接雇用への切り替えを提案しましたが、約束を破り、河本さんを解雇しました。現在も最高裁で係争中です。
かつてパナソニックで一緒に働いていた同僚のなかには、「派遣切り」のあと仕事が見つからず、原発の下請けで働き、ピンはねされた人もいました。
「パナソニックの派遣切りさえなければ、同僚もまともに生活できていたはずだ」と河本さん。派遣労働者を無制限に使えるようにする派遣法改悪の方針など、雇用を不安定にする安倍政権の労働法制改悪にも怒りがわきます。
原発関連しか仕事がないため、若者がどんどん出ていく町を変え、原発以外の仕事と雇用を生み出し、住民の福祉を守ろうと訴えます。
日本共産党の河本たけし候補は、表立って声を出せない住民の思いを集め、原発支配に正面から風穴をあけようとしています。
関西電力美浜原発 日本の電力会社が初めて開設した原発。原子炉は3基あり、現在すべて停止中。1号機の運転開始は1970年11月、2号機は同72年7月で、40年以上経過しています。3号機も運転開始の76年12月から37年を超えます。73年に核燃料棒破損事故。91年に伝熱管破断による原子炉自動停止、放射性物質漏れ事故。2003年に伝熱管に穴が開く事故が起き、04年に配管破裂で死傷者を出すなど、数かずの事故が発生しています。









