2014年2月9日(日)
シリア激戦地 一時停戦
中部ホムス 子どもや女性避難
10日から直接協議
【カイロ=小泉大介】シリア内戦で最大の激戦地の一つになっている中部ホムスの旧市街で7日、一部住民の避難が始まりました。同日から3日間の“人道的一時停戦”が実現したことによるもの。7日にはアサド政権が、内戦終結に向け10日からスイス・ジュネーブで再開される予定の反体制派との直接協議に参加することも決めました。
ホムス旧市街は約1年半にわたって政府軍の包囲下にあり、取り残された3000人前後とされる住民が食料や医薬品の深刻な不足に苦しむなど、人道的危機に陥っています。
一時停戦は当面7日から3日間で、国連の発表によると初日には83人がシリア赤新月社の車両などで旧市街から避難しました。ただ、対象となっているのは子どもや女性、高齢者に限られ、15〜55歳の男性は反体制派戦闘員の可能性があるとして排除されているもようです。
ホムスでの一時停戦は、ジュネーブで1月31日まで1週間にわたって行われたアサド政権と反体制派との直接協議で決まりましたが、政権側が実施を先延ばししてきました。6日になって国連が住民避難や支援物資搬入で再度、政権側の同意を取り付け、実現の運びとなりました。
一方、シリア国営通信が7日にメクダド副外相の発言として伝えたところによると、反体制派がすでに参加表明している再開直接協議について、政権側も代表団を送ることを決定しました。
内戦勃発後初めてとなった前回協議では、アサド大統領抜きの移行政府樹立を強く求める反体制派と、「テロとのたたかい」を最優先課題とする政権側が激しく対立し、成果なく中断しました。
今回、ホムスでの一時停戦実現で「信頼醸成」が一歩進んだ形となりました。しかし、メクダド副外相は政権側の参加を表明した際に、「シリアに平和と安定の回復をもたらすには、テロと暴力を終わらせる必要がある」と従来の主張を繰り返しました。再開される協議で成果が得られるかどうかは依然、不透明な状況です。








