2014年2月9日(日)
敬意と寛容の祝祭 ソチ五輪開会式
【ソチ=勝又秀人】荘厳な演出とまばゆい色彩や踊りに彩られ、ソチ五輪は7日、幕を開けました。
開会式では、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長のメッセージが心に染みました。
スピーチでは、多様性と絆を受け入れる五輪精神を踏まえ、「競技者が平和な社会の手本となれる」と力説しました。
そんな光景が、入場行進に見えました。
ロシアと軍事衝突し、国交のない隣国グルジアの選手が、ボイコットを避け参加し、歓声がわきました。
政府の干渉で、自国の統括団体が資格停止となったインドは、個人参加が認められ、五輪旗を手に行進しました。3大会ぶりの南国ジャマイカ、旧ソ連から独立した国も、熱い歓迎を受けました。
そこに、国の大小や立場の違いによる色分けはありません。競技者すべてを「大会の主役」とみなす、敬意と寛容の空間でした。
五輪での厳戒態勢は、暴力と憎しみが絶えない世界の現実を映し出しています。貴賓席の各国首脳だけでなく、世界の政治家にバッハ会長は呼びかけました。「意見が違っても、平和で直接的な対話によって解決する勇気を持ってほしい」
世界の現実にも、平和と友情の絆を生む五輪の力が手本となるのではないか。
平和の祭典の主人公が、世界に懸け橋を築く17日間が始まります。








