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2014年2月2日(日)

シリア暗礁

政権と反体制派 具体的進展なく協議中断

国連は10日再開を提案

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 【カイロ=小泉大介】シリア内戦の終結に向け、スイス・ジュネーブで1週間にわたり行われていたアサド政権と反体制派「国民連合」との直接協議は1月31日、具体的進展のないまま中断しました。仲介役のブラヒミ国連・アラブ連盟合同シリア特別代表は2月10日の協議再開を提案しましたが、実現するかどうかは予断を許さない状況です。

「両者に深い溝」

 内戦勃発後初となった当事者同士による協議では、「国民連合」がアサド大統領抜きの移行政府樹立を強く要求。これに対し政権側は大統領退陣を拒否し、「テロとのたたかい」を最優先課題として掲げるなど対立は最後までつづき、暗礁に乗り上げた形となりました。

 協議の最初の段階では、「信頼醸成」措置として政権側が、中西部ホムスで政府軍に包囲されている住民の一部避難や人道支援実施で同意しましたが、現在も行われないままとなっています。

 ブラヒミ特別代表は31日の会見で、「両者の溝は深いまま残っている」との認識を表明。一方で、「政権側と反体制派が考えている以上に一致点がある」とも述べ、10日の協議再開を提案したことを明らかにしました。

 「国民連合」は協議再開を基本的に受け入れたもようですが、政権側代表団を率いるムアレム外相は会見で、アサド大統領ら指導部と相談するとして即答を避けました。ゾアビ情報相は「今回の協議でも次回の協議でも、(反体制派が)政権から譲歩を得ることはまったくない」と発言するなど、かりに再開しても事態の打開は容易ではないとみられます。

激しい戦闘続く

 反体制派を支援する欧米やアラブ諸国などで構成する「シリアの友人」会合は協議中断を受け声明を出し、「協議で進展をつくれなかった責任は政権側にある」と批判し、「政権は次回協議に建設的に関与しなければならない」と求めました。

 シリア国内では現在も政府軍と反体制派との激しい戦闘がつづいており、これも協議の行方に暗雲をもたらしています。英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は31日、直接協議に先立つシリア国際会議が開催された22日から30日までに、民間人430人を含む1870人が死亡したと発表しました。


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