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2014年2月1日(土)

タイ総選挙 あす投票

事実上の政権“信任投票”

反政府勢力は妨害続ける

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 【バンコク=松本眞志】タイで2日、下院(定数500)の総選挙が投開票されます。インラック首相率いる貢献党政権の退陣を求めて選挙妨害を続ける反政府勢力は、首都バンコクを中心に投票を実力阻止する構え。最大野党・民主党は選挙をボイコットしており、総選挙は事実上、政権への“信任投票”となります。


 反政府勢力「人民民主改革委員会(PDRC)」を率いるステープ氏は、2011年の総選挙で敗北した民主党政権の副首相でした。ステープ氏はインラック政権を「(2006年のクーデターで失脚した)タクシン元首相が支配する腐敗政権」と非難。選挙は「タクシン体制」を守る意味しかないとして、「道徳ある人物」による統治を主張し、選挙によらない任命制の「人民議会」の設置を求めています。

 これに対して国内の法学者団体は「民主主義を否定する」と批判。政府も「政権を決めるのは国民」だとして総選挙によって民意を仰ぐとしています。

 民主党は「投票するかしないかは、個人の判断に委ねる」としています。投票用紙には「誰も選ばない」との項目があり、これを選べば民主党支持の意味を持ちます。

 投票率が高く、「誰も選ばない」を選択した有権者が少なければ、事実上の政権信任となります。

 首都バンコクと周辺県では、軍と警察が治安対策を取っています。ウィンタイ軍報道官は1月30日、約1万人の警察官が警備に当たり、不測の事態に備えて軍兵士が待機すると説明しました。

 下院定数500のうち比例代表は125議席、小選挙区が375議席。南部8県の28選挙区では反政府勢力の立候補受け付け妨害で小選挙区候補者なしの状態になっています。

 政治教育学者のワッタナ・アカパニット氏(49)は、「選挙妨害行動や交通妨害でバンコク市民の生活に影響が出ている。これが続けば反政府勢力支持者の離反もあり得る」と述べています。

 バンコク・ポスト紙1月31日付は1面で、「選挙前の改革」を呼び掛ける反政府勢力のデモの写真と、「私の投票権を尊重せよ」と訴える市民のろうそくデモの写真を同じ大きさで並べました。

 チャルーム労相は、「PDRCが投票を妨害すれば暴力沙汰となり、誰も状況をコントロールできなくなる」と警告しました。11月の街頭行動開始以降、10人が死亡し、577人が負傷しています。


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